読書録

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やってられない月曜日

やってられない月曜日 (新潮文庫)

やってられない月曜日 (新潮文庫)

タイトルに共感して手に取る。主人公の高遠寧寧と友人の百舌鳥弥々、親戚でキャリアウーマンの墨田翔子、みんな個性豊かで、言葉の一つひとつが、会社で仕事することの意味や生き方など、いろいろ考えさせられた。

p40:「あたしみたいに、会社が人生の大部分になっちゃっている人間と、寧々ちゃんみたいな人と、世の中いるんだよね、同じ会社員でも。寧々ちゃんにとって、会社はさ、生活を保障してくれるための生活費を稼ぐ場所。そう割り切ればいいんじゃない?」

翔子さんに言われた寧々さんは、素直には納得できない。

寧々は、出版社でコネで入社したものの経理の仕事を面白いとは思わず、鉄道模型用の150分の1の模型を作るのが趣味。「死人のふり、なんてしたくない。会社にいる時だって、あたしは、生きた人間でいたい(p50)」と考え、自分が働くビルの模型を内部も正確に作るようになる。

次章の火曜は、お金がないのに美容や下着で散財。

水曜の章は、社員の編集長が自殺して、その原因と疑われる。

木曜は、吸収合併された社員の一人がパワハラにあう話。
p194:給与が自分より高い人が自分より働いていないように感じたら、不満に思う。思って当然なのだ。当然なんだけど・・それだけでいいの?いいんだろうか。会社って、それだけのところなんだろうか。それだけの為に、人生のものすごく長い時間をそこで過ごす、そんなんで、あたしたち、大人だって言えるんだろうか。久留米さんの居場所をつくってあげられるかどうか、本当は、そこに境目があるんじゃ・・

金曜は、駅で倒れた男性を助けたあと、喧嘩していた男性社員と和解。親友の弥々が退社すると聞く。

「命かけます、週末です」の章で、トラブルに巻き込まれる。
p245〜この世界も、捨てたもんじゃない。よかった、と思えることが、けっこうたくさんあるんじゃない?・・・あたしも生きていて、よかった。

そして再び月曜がやってきて・・
p315:縁(えにし)。せっかくの縁なら、大切にして、可愛がってあげてもいいよね、と思う。そう思える分だけ、あたしは前より、優しい。たぶん、ね。

やってられないなあ、とみんな思いながらも、なんとかなる。職場は長い時間いるんだからそれなりに楽しくやっていかないと・・と癒してくれるお話でした。

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