読書録

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節約の王道

節約の王道 日経プレミアシリーズ

節約の王道 日経プレミアシリーズ

終章で、死を意識することで、「明日死んでもかまわない」と言えるほど、一生懸命に今を生き、一生懸命に仕事をし(p216)、『後悔のない生き方をするということこそが、人生を無駄にしないという意味で、究極の節約なのかも知れません』(p218)という著者の主張は、生き方を説く本になっている。その結論に至る様々な節約の手法については、自分が実践していることもあるし、できていないこと、そこまではと思うこと、などあった。


(実践していること:共感できること)
・「見栄を張るためにお金を使うというのが大嫌いです」(p12)
・人と張り合わない暮らし、ブランドや人の目に惑わされることなく、しっかりと「自分の軸」を持って衣食をまかなう、ものを選ぶ。(p14)
・献立を考えずに買出しをする、食材を使い切る(p22)、カードはただで使わない(p49)
・洋服は流行に関係のないものを着る(p96)、身の丈に合った値段の範囲内で洋服を選ぶことこそが、その人をいちばん美しく見せるのだと思います。(p101)
・車は年収1ヶ月分の価格のものを買う(p103)
・ブランド品は断固として買い与えない(p163)
・高層マンションというのは、値段を高く売るだけの虚栄的な仕掛けなのです。実に無意味だ(p180)←ここだけ文体が変わるところに著者の強い思いと怒りを感じた。
・目的のない節約というのは本末転倒極まりない(p190)


(できていないこと)
生活習慣病にならないように、たばこなどは直ちにやめる。食生活に気をつける。(p62)
・本というものは、基本的に自分でお金を出して、買って読むべき(p142)
・若い時代に一番大切なのは、一生通用するような技能を身につけるということです。(p192)
・自己投資・・自分に対する「仕込み勉強」が重要なのです(p196)


(そこまではと思うこと)
・持ち歩く現金は3万4000円に
・(結婚式など)儀礼的なものに一切金は出さない(p88)
・宿も食事も自分自身で主体的に組み立ててみる(p129)
・香水をつける前に歯医者に行く(p208)オヤジ臭さの三大原因、酒とタバコとコーヒーをやめる。


冒頭に紹介されている西鶴の日本永代蔵、巻三の一「金持ちになる妙薬」=長者丸(ちょうじゃがん)の漢方薬の配合というのは面白く、現代でも役に立ちそうだ。
「朝起き五両、家職二十両、夜詰八両、始末十両、達者七両、この五十両を細かにして」
→朝寝坊しないで家業に夜遅くまで励み、倹約をして、健康に気をつける(p18)
また、福沢諭吉の言葉「最も大切なるは家族団欒」(明治32年の新女大学)というのも、まさにその通りだろう。


「大学は一流に入ったほうが、その先の人生の実りが豊かであることは、動かない事実。学歴無用論などというのは一種の極論で、学歴というものは現実的には非常に大切だと思います」(p166)は、本音だろうけと、世俗的すぎて少し寂しい印象も受けた。


p213で、著者は、これまでの人生でずっと一生懸命努力し続け、いつも全力疾走で最大限の努力をしてきたという自負があり、その内面の自身が顔にも現れているという自信を示しているが、これだけ言い切れる人生というのを、自分も目指すことができるのだろうか。

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