読書録

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『テレビ進化論』 境真良 著

テレビ進化論  (講談社現代新書 1938)

テレビ進化論 (講談社現代新書 1938)

放送と通信の融合がテレビにどういう影響を与えるのか、という問題提起はわかる。
「次のテレビ」と「テレビの次」の論については、何度か戻りながら頭を整理しないと若干混乱した。
確かに、今リアルタイムで見るより、録画してから見ることの方が多くなったことは間違いない。
テレビは生き残れるというという希望は、本当にあるのだろうか・・

p68:面白いコンテンツを生む三つの必要条件:1.十分な製作資金、2.有能な人材、3.自由な創作環境 という3つの視点から創造力の覇権を見る。
p78:(一般企業が巨額の広告費をテレビ放送に投下するのは)「ブランド力」というひとつのキーワードで説明できるのではないかと考えている。

p89:コンテンツの表現方法のデジタル化とデジタルネットワークの爆発的な普及をあわせて、私は「デジタル二重革命」と呼ぶ。・・(情報受信が発信という)情報の流れの転換を引き起こす。→メジャーの仕組みの終焉とインディーズの誕生

p132:アクトビラやゲーム機、ユーチューブが目指す「映像コンテンツの視聴方法の変化」が有無新しいテレビシステムを「次のテレビ」、「映像コンテンツそのものの変化」が生み出す新しいコンテンツについては「テレビの次」
p135:(見たいのは「番組」そのもの、)録画しておいて後で見るという視聴形態が爆発的に広がった。
p153:「VODは成立しない」→p158:結局儲かるのはコンテンツ事業者と「マイ・チャンネル」事業者であり、インフラ事業者ではない。
p163:ギョーカイに求められる体質改革:1.ギョーカイ外との関係性の確立、2.著作権をきちんと処理し、「次のテレビ」で流通可能なコンテンツを作る慣行を確立すること、3.人材の受け皿
p187:コンテンツ理論としてこれまでメディア/コンテンツ/キャラクターの三層構造を念頭に置いてきたが、これに修正を加え、それらすべてを包含する「体験」「イベント」という商品レイヤー(層)を考えなくてはならない段階が来たのかもしれない。
p215:ネット社会とコンテンツ産業の関係性を再構築することで、産業としての創造には何よりも金銭を、プライベートな創作には自由と静謐を、それぞれある程度与えることができる。
218:新しい環境の中でもテレビ産業は力強く生き残れるということを描けたなら、本書の目標の半分は達せられている。

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