読書録

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『下流大学が日本を滅ぼす!』 三浦展 著

下流大学が日本を滅ぼす! (ベスト新書)

下流大学が日本を滅ぼす! (ベスト新書)

ここまで言ってもいいものか、と思えるぐらい、かなりきつい指摘が続く。
また、自分の子どもを考え、確かにやる気と言うかハングリー精神が足りないのではないかと思ってしまう。
あれがほしい、これがほしい、という、僕らが昔もっていたような欲があまり感じられないのだ。
せめていい教育を、と思ってしまうところがあるが、自立して生活できるようにはなってもらいたい。
仕事で社会に貢献し、役に立ってほしいとは思いながらも、世の中そんな仕事ばかりではないというのは、
著者が指摘する通りだろう。
家計がますます厳しくなりそうな経済社会情勢のもと、子どもの明るい未来というのは、どう築けばいいのか。
そして、どのような進路を見つけてくれるのか。
読後感としては、なかなか厳しく、模索をしていくしかない。


(扉ー要旨)
大学はみずからの保身のためにバカ学生を大量生産して社会に送り出し、社会の活力を阻害している。としたら、大学行政というのは、不要な高速道路を大量に造って国民の借金を増やしてきた、あの悪名高い道路行政と同じではないか?本書では、ひよわで、甘えん坊で、自己愛の強い学生、新入社員の実態を探り、さらに、そういう若者を生み出す入試制度、教育制度にメスを入れ、まともな人間を生み出すための処方箋を示す。プロイラーとして育てられた若者は、流れてくる餌を横一列に並んでついばむだけである。それでは社会で通用してない。その意味では現代の子ども、若者も社会の犠牲者なのだ。

(目次ー引用)
第1章 大学がバカ学生を大量生産する
(偏差値48の高校からでも上智大学に推薦入学できる;私立大学では一般入試での合格者が半数以下 ・・);
p47:競い合いのない学校生活を送ってきた世代には、競争心も忍耐力も体力も精神力も不足してしまう。


第2章 お客様化する学生とモンスター・ペアレンツ
(今の大学教師はファミリーレストランの店員みたいなもの;クレーマー化する親 ・・);
p79:企業が顧客満足度調査なんかをするようになったもんだから、消費者がそれまでは別にどうでもいいやって我慢していたことでも、不満をなくしましょうってことになって、重箱の隅をつついたような改善活動をするようになった。


第3章 バカ学生は社会では通用しない
(今の新入社員は大人免疫力がない;お客様大学生からお客様社員へ ・・);
p108:(前川孝雄リクナビ元編集長のことば)「まじめで、傷つきやすい、線の細い若者」
p120:企業人事部が重視する学歴「何かをやり通した経験はあるのか?」

第4章 「大学貧乏」の登場(大学生のいる家庭の平均年収は低下;教育費に圧殺される家計 ・・);
提言 オンライン大学で下流脱出を(教育制度改革の提案;大学進学率は20%に )
p200:基本的な考え方は、1社会に出る年齢を下げる、2多くの人に社会に出て役立つことを教える、3いつでも学び直せ、かつコース変更が容易な制度にする、4どこでも学べるようにする
p228:現代の子ども、若者も社会の犠牲者なのだ。自分の足で地面を歩き、虫を探し、生きていく力を育てないといけないのではないか。


{図書館から借り11/11読了、20メモ}