読書録

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『民主主義という不思議な仕組み』 佐々木毅 著

民主主義という不思議な仕組み (ちくまプリマー新書)

民主主義という不思議な仕組み (ちくまプリマー新書)


このちくまプリマー新書も、よりみちパンセのように、青少年向けの本なのだが、難しい話をやさしく解説してくれるので、かつて学んだことの復習も兼ね、さらに今直面している新たな課題も理解できて、ある種、勉強したような気になるのが?いい。

テーマにしている民主主義も、小泉政権の改革をどうとらえ、今のねじれ国会で政治が閉塞している状況をどう考えるか、つい求めがちな正答はないのだろうけど、著者があれやこれかではなく、「より良く」が合言葉になるといい(p12)、かつて恩師が話していた、「少しでも良くしていこう」、という部分がなければ、どうにもならないのだろうとは思う。
また、カンサンジュンさんを読んでも感じるのだが、政治思想に詳しい著者のようなスタンスにたつと、混迷した時代にあっても、切り口というかヒントが見えてくるということだろうか。



(扉)
誰もがあたりまえだと思っている民主主義。それは、本当にいいものなのだろうか?この制度の成立過程を振り返りながら、私たちと政治との関係について考える。若い人のための政治入門。

(目次ー引用)
第1章 民主主義のルーツを言葉から考える;


第2章 代表制を伴った民主政治の誕生;
p59:最後に忘れてならないことは、近代の民主政治は古代のそれと異なり、各人の自由と平等に基礎を持ち、同義的な強さを同時に持っているのです。

第3章 「みなし」の積み重ねの上で民主政治は動く;


第4章 「世論の支配」―その実像と虚像;
p98:エリート主義(少数者支配の鉄則を掲げる立場)と大衆の愚弄


第5章 政治とどう対面するか―参加と不服従
p130〜:福沢諭吉の三つの指摘:1.節を屈して政府に従うは甚だ宜しからず 2.力による内乱は不都合な考え 3.正理を守って身を棄つる


第6章 これからの政治の課題とは
p150:合理的な「利益政治」を求めて
p154:今後は、どこまでも自分を磨き、新たに挑戦する気構えを持った人々が集まる社会や地域、国が豊かになり、そうでないところの「格差」が広がることになるでしょう。
p166:現在、人類が直面している課題は、利益のばら撒きとは違った、政治の質的均衡を求めるもの・・・政治にとって大きなチャレンジを意味しています。
p172:力の大きさに代わって「モデル」で勝負するという構想


{図書館で3/28借り4/7読了}