読書録

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『さらば財務省!』 高橋洋一 著

さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白

さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白

郵政民営化」「道路公団民営化」「政策金融改革」「公務員制度改革」などに関わってきた財務省キャリアの著者が、本体の財務省とも敵対しながら、改革を進めてきた動きや内幕について、小泉・竹中・安倍・中川(秀)を支えてきた立場を明確にして説明している。

著者の数学科から経済に移り、ひょんなことから大蔵省に採用され、アメリカにも留学して財政を学んでいった経歴もなかなかなもので、昨今話題になっている「埋蔵金」を問題視することができたのも、こうした能力が優れているからなのだろう。

論点として、大きな政府か小さな政府かの選択では、小さな政府として経済成長を志向する「上げ潮派」の立場が明確だ。これまで・そして今でも与党内でも対立がある中、当時、政策立案の主導権が、小泉時代霞が関から官邸(諮問会議)へ、安倍時代に与謝野諮問会議から党の中川政調会へ、それぞれ移っていったという。

さらに、財政タカ派の、「増税ありき」とする試算には、1.計算期間が18年と長すぎる、2.歳出の増え方がおかしい、3.名目成長率の低さ、4.金利の設定 など4つのトリックがあると指摘している。著者はあくまで、改革と増収で財政再建をめざべきと主張している。


どうも感化されやすいタイプなのか、著者の立場や説明はよくわかるような気がする一方、小泉−竹中改革によって格差社会が広がり、いわゆるワーキングプアの問題が顕在化していくなかで、きちっとした目で見ていかなければならないだろう

(目次)
序章 安倍総理辞任の真相;
第1章 財務省が隠した爆弾;
第2章 秘密のアジト;
第3章 郵政民営化の全内幕;
第4章 小泉政権の舞台裏;
第5章 埋蔵金の全貌;
第6章 政治家vs.官僚;
第7章 消えた年金の真実;
終章 改革をやめた日本はどうなる

{地区センターから1/10借り23読了、記入は同日}