読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『解体されるニッポン』 ベンジャミン・フルフォード著


冒頭の劇画チックな入りから、アメリカの富裕層による秘密結社が世界を動かしているという「前提」には、かつてのフリーメンソン論とか、軍産複合体論などを彷彿とさせ、ちょっとついていくには厳しい面がある。

中谷教授も自己批判しているぐらいだから、小泉-竹中改革は、この本にあるようにアメリカの手先となった「悪」なのかどうか、という点についても、確かに格差の拡大は問題で、今後解消していくべきと考えるが、それだけとも言えないと感じている。

また、ワークシェアリングで賃金水準を下げても雇用は確保したオランダ方式を紹介して褒めているが、これについては、著者が言うように日本でも導入が考えられてしかるべきと思う、

印象的には、右派が喜びそうな全体の内容となっていたように感じた。


(目次-引用)
プロローグ デイヴィッド・ロックフェラーと対峙した日;

第1章 断末魔のアメリカが日本をバラバラにする;
p32:改革者の仮面をかぶった小泉純一郎竹中平蔵が行った数々の「規制緩和」と「民営化」は、レーガン政権下以降にアメリカで進められてきた改革と似通っている。


第2章 世界を駆けめぐるグローバリズムという疫病;
p50:(ラーメンの大衆店とフランチャイズ店のモデル)生活コストが下がり、暮らしが良くなったと人々が喜んでいる隙に、潤沢なマネーを持つ富裕層は活発な投資を開始する。


第3章 惜しみなく搾取される日本の労働者たち;
p80:(オランダの1983年ワッセナー合意)1.労働組合は賃金抑制に協力する。2.経営者は雇用の維持と就労時間の短縮に努める。3.政府は減税と財政支出の抑制を図り、国際競争力を高めるための企業投資を活発化し、雇用の増加を達成する。
p85:お金が子どもの教育や普段の消費に向けられ、国の景気も回復し、企業の収益も上がり、仕事も生まれ、税収も増える。そんな好循環を支えているのが、個人個人が確立している仕事への距離感であり、政府や企業によるバックアップだ。


第4章 舞台裏でうごめく「闇の権力者」の実態;
p88:世界の経済、金融を操り、政治を動かす限られた数の人々がいる・・簡単に言ってしまえば、アメリカによる世界支配を狙うエリート層によって結成された秘密結社だ・・・中核は・・ロックフェラー、ブッシュ、ハリマン、ウォーカーらの一族だ。


第5章 アメリカが仕組んできた「自作自演」の歴史;
著作『暴かれた9・11疑惑の真相』


第6章 誰がアジアの分裂を目論んでいるのか;
p151:分断して統治する。それがアメリカのアジアに対しての基本戦略なのだ。
p153:勘違いにも等しい「血」へのこだわりを捨て、移民を受け入れるべき時だ。
p155:極端な言い方だが、戦後教育は日本人を奴隷化するために作られたものだ。
p156:表面は独立したけど、今も植民地扱い。(抜け出すためには)教育を変えること。その意思を持った政治家を選ぶこと。


エピローグいま日本は国家衰退の瀬戸際にいる
p182:新自由主義による経済のグローバル化ネオコン軍産複合体による軍事的な世界支配。この闇の権力者に対して、世界中の人々がNOという意思表示を始めている。
p185:世界通貨を作ること・・・アジアのリーダーとしてこうした可能性にかけて世界を変えていくという気概を持つべきだ。・・日本人は、いま新たな目標が必要なのだ。


{図書館から4/4借り14読了、記入は16、17}