読書録

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『不機嫌な職場』 高橋克徳 他著

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)

図書館に予約したけど、なかなか手に入らなかったところ、ブックオフで早くも105円になっていたので衝動買い。

今、職場がギスギスしてストレスがたまりやすく、壊れやすくなっている背景を分析し、グーグルなどの事例も紹介しながら、「社員が楽しく働ける職場づくり」のためには、「協力し合うこと」ができるように工夫をしていくことだと提言している。

(引用)
p30:リスクを減らしていくために、ルールを決めて各人が守るだけでは、リスクを減らすことにはならない。みんなで一つ一つの事例を通じて、考え、行動していくという状態をつくりだすことが必要である。
p34:自分がいかに価値がある有能な人間であるかを認めさせるために、他者を軽視し、時に他者を否定する。希薄化した人間関係になるほど他者が脅威になり、他者を否定してでも自分を守ろうとするのだという。(速水敏彦「他人を見下す若者たちより)

p66:役割構造の変化による「タコツボ化」の進行、評判情報の流通機能の低下、インセンティブ構造の変化、により、組織内の協力関係の構築・維持が阻害されている状態が、現在の日本の会社である。

p88:重要なのは、自分が協力する意図と自分に協力してもらうニーズを、周りのみんなにわかってもらうための方策を皆で実践することである。・・・これを実践するために必要なのは、「集団的なコミュニケーションの促進」である。

p102:(グーグルは)働きやすい環境、世界でもトップ水準の仲間、お互いが承認される風土、これがエンジニアにとっての価値ある報酬となっている。

p108〜:サイバーエージェントの仕掛け 1.自分たちの会社に自信を持ちたい 2.お互いをよく知る、自分を知ってもらう 3.会社の成長と個人の成長を重ねる 4.みんなで喜ぶ、みんなで認める

p123:大きな企業であるほど。一人ひとりを知るということが難しくなる。評判情報を共有する基盤をつくりだし、一人ひとりを考え、おた大を知り、かかわりあうためのコミュニケーションを徹底して行っていくことが、組織への信頼を生み、お互いがかかわり、共創しあう関係づくりにつながっていくのである。

p140:(ヨリタ歯科)自分が必要とされているという実感:「自分が役に当たっているという実感が持てるようになった」「自分が好きになった」という言葉。

p166:多くの会社が社内ブログやイントラネットを活用したが、うまくいっていない・・・圧倒的に面白いと人が訪れる。

p174:なぜこれほどまでに自発的に協力的になれるのか。それは、ネットの世界では、「感謝」や「認知」という応答反応があふれているからである。

p188〜協力への第一歩の踏み出し方:起きていることを客観視する→お互いの感情をシェアする→せめて困った人に手を差し伸べる→人を助けることは難しい→感謝と認知のフィードバック→新たな協力社会をつくりだす。

かつて読んだ、生きる意味とか、いのちの授業ではないが、自己肯定感を持ちにくくなっている状況のなかで、お互いに認め合い、お互いが思いやれる優しい環境になれば、ということなのだろうけど、そのために、何もしないでいいというわけでなく、ここで取り上げられているような「仕掛け」が必要なのだろう。

それにしても、ネット社会では、支えあうことがある一方、すぐに炎上したり攻撃が集中することもあり、難しい。
せめて社内SNSで情報交換でも、ということが、確かに面白くないせいか、なかなかうまくいかないのだろう。

内定取り消しやリストラ策の相次ぐ発表など、世の中がますますギスギスしていくなかで、いい手はないものだろうか・・・

{book off で11/17購入105円、19読了、記入は12/14}