読書録

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『奪われる日本』 関岡英之 著

奪われる日本 (講談社現代新書)

奪われる日本 (講談社現代新書)

いわゆる保守主義の方の考え方がよくわかる一冊。
郵政民営化や医療改革など、アメリカの年次改革要望書に基づく圧力だと指摘している。
それは、アメリカの民間保険会社の利益のためだというわけだ。
そして、郵政民営化に反対した小林興起氏や小泉龍司氏らを、日本の国益を損なう危険性を正確に認識した「憂国の志」と賛美する。
改革派対守旧派ではなく、対米迎合派対国益擁護派の闘いだったという。p32
医療改革も、官から民へという新自由主義イデオロギーに立脚し、民間保険業者のビジネスチャンス拡大を狙うものだとする。p80
また、談合は日本の知恵で、真の国益がわかっていないと指摘し、事前調整型から事後調整型という米国型社会が本当に良いのかと疑問を投げかけている。剥き出しの弱肉強食社会が耐えていけるのかと。p137
さらに、女系天皇の誕生は125代に至る万世一系の皇統の断絶を座視することになり、許されることではないと主張する。
「真の保守を任じる人よ、目覚めよ」と呼びかける。

この本には、国益や民族、愛国心などの言葉が、次々とたたみかけるように出てくる。
著者はほぼ同世代だが、どうしても違和感が残る。

退職した空幕長のように、「侵略戦争はぬれぎぬ」と、この著者も主張するのであろうか?

{図書館で10/19借り31読了、記入は途中で、11/5追記}