コンプライアンスの考え方―信頼される企業経営のために (中公新書)
- 作者: 浜辺陽一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 新書
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p39:企業倫理の5つの視点。〜から導かれるものとして、1.法律の趣旨、2.海外におけるリスクの指摘、3.マーケットの要請、4.ポリシー、5.他者との関係性。
p57〜:アメリカの量刑にからむコンプライアンス・ガイドラインで、刑罰を重くする要素としては、1.経営陣の関与、2.犯罪歴。3.捜査妨害、軽くする要素として、1.効果的な法律違反抑制プログラムの運営、2.自己申告、3.捜査への協力、4.犯罪行為の自白 があり、このうち軽減要素の1には7つのステップ。1.基準と手続きの制定、2.上級役職者の専任・・4.研修と周知徹底、5.監査システムと報告システムの確立など。
p93:コーポレート・ガバナンスの狙いをパフォーマンス(業績向上)とコンプライアンス(健全性)に分けるにしても、この両者は密接につながっている。・・企業経営が適切になされ・・コンプライアンスが充実すれば企業業績にも好影響を与える。・・ガバナンスは会社の戦略的方針、経営陣の効果的なチェック、経営陣の説明責任を確保することが求められる・・
p108:リスク・マネジメントが「リスク」を中心とするのに対して、コンプライアンスは「ルールや規範」を中心に据えている。・・コンプライアンスでは、倫理性や完全性への指向が本質的な価値となっているという違いがある。
p124:「人間は放置すればよいことばかり行うとは限らない」という考え方は、コンプライアンスの背景にある法文化のバックボーンになっている。
p151:不祥事が起きた際には、とにかく迅速に真相究明を図って再発の防止を約束するという方針を打ち出すことが有益である。
p162:「悪いことをしないようにしよう」というだけの教育をするのでは、不十分。・・根付かせるためには、社員一人一人が正しい問題意識を持つことが大切である。そのための意識教育は重要である。
p164:コンプライアンス・プログラムは、既存のルールを見直し、改革を継続することを求めている。(枠内だけで保守的に行動せよといった考え方をするものではない)
p171:コンプラでものが言えなくなるというのは、セクハラで、和気あいあいとした雰囲気がなくなるとう議論と同じようなもの。
{図書館で5/25借り6/21読了、記入も同日}