読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『いのちはなぜ大切なのか』 小澤竹俊 著

いのちはなぜ大切なのか (ちくまプリマー新書)

いのちはなぜ大切なのか (ちくまプリマー新書)

テレビで小澤さんのホスピス医としての活動を取り上げた番組を見て、本が読みたくなり借りた。1963年生まれの著者は、ほぼ同じ世代なのだが、その考え方、生き方に、尊敬の念を覚えた。いのちはひとつしかないから、死がこわいから、先祖からつながってきたものだから、という答えでは、納得させられない人がいる。むしろいのちの教育には答えがない。きれいごとであってはならず、W杯でフランスのジダンが頭突きという暴力行為に及んだことを例にとって、苦しいと人を傷つけてしまうケースがあり、苦しみではなく、おだやかでいられる方法を紹介する。
それは、村田久行先生のスピリチュアルケア理論から、人を支える3つの柱として、「将来の夢」(時間の柱)、「大切な人との関係」(関係の柱)、「自分の自由」(自律の柱)の3つをあげ、これが平面を支える図を紹介する(p71)。
また、自分の考えを、ファウストを読んだ時に、1人称の幸福=個人だけの幸せには限界があると思い、考え抜いたすえ、「人の役に立って、喜んでもらえること」だという。まさにそのとおりだろう。

{図書館から3/1借り14読了、記入は22日}