読書録

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『国家情報戦略』 佐藤優 コウ・ヨンチョル 著

国家情報戦略 (講談社+α新書)

国家情報戦略 (講談社+α新書)

かなり前に予約していた本がようやく届く。鈴木宗男疑惑で逮捕された佐藤氏と、韓国でフジテレビのソウル支局長に軍事情報を提供した日本のスパイとして逮捕されたコウ氏の共著で、過去の事件や北朝鮮情勢などをめぐる対話などを通して、国としてのインテリジェンスの重要性を説く。
過去の戦争への記憶・反省から、こうした分野に対しては忌避感が強いと思う。
しかし、コウ氏が疑問に抱く、日本の大学に安全保障関連の学部学科がないこと、インテリジェンス機関がないことなどは、そうなのだろう。コウ氏は、「戦わずして勝つ」ためには、目に見えない情報戦争で勝つことだという歴史上の教訓を忘れてはいけないと説く。日露戦争の時の明石大佐の動き、また、陸軍中野学校北朝鮮の工作機関の手本になっていることなど、さまざまな例が出てくる。
小説や映画でも、この諜報分野はさまざま取り上げられ、過去トムクランシーの本などもほとんど読んできただけに、興味がないわけではないが、正面切って日本にインテリジェンスの機関を作ることに賛成か反対かと問われたら、まだ忌避感の方が強いとも思う。

参考引用p60:(コウ氏)現代は情報洪水の時代、だからこそ、情報の選別能力と鋭い判断能力が求められています。プロのスパイは3つの目を持つべきだといわれます。空から全体を鳥瞰する「鳥の目」、顕微鏡をのぞくように焦点を絞る「虫の目」、そして潮の流れをキャッチする「魚の目」。これらを兼備して情報を収集、分析、判断しないと駄目だということです。(コウ氏は、刑務所時代、瀬島竜三氏を描いた「不毛地帯」に夢と希望を与えられたともいう)

{3/1図書館から借り10読了、記入は14}