読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『ぷちナショナリズム症候群』香山リカ

著者が感じている今と将来への不安は、わかる。すべての過去のことを切り離して、現状を肯定していればよいのか?ただ、著者が先の参院生で某政党の政見放送で司会をつとめたことから、その政党色で見られることが多くなり残念な気がするが、こうした問題関心はいつまでも持っていたいと思う。
また、父子の関係でいえば、父の恐怖を内在化された「超自我」により、良心的道徳的にふるまうことができるようになる(p66)ことが薄まり、「エディプスなき親子関係」(p80)の結果、屈託のない二世が生まれるという分析は、これからの親子関係を考えるうえで、どうとらえたらよいのか。
「いまは他愛もない愛国ごっごでとどまっているぷちナショナリズムの国ニッポン」が、瞬く間にラディカルなナショナリズムの国に転じていく可能性も否定できない」(p138)は、怖いと思う。
世代と論客の紹介として(p115)、「右翼とか左翼とか関係のない世代」と自認する斎藤孝が1960年生まれ、「戦争を知らない世代」という村田晃嗣が1664生まれ、中間で明快な論理で自由主義個人主義の時代の地域通貨の必要性を訴える西部忠が1962年生まれとあったが、ほぼ同世代だと思うので、また機会を改め読んでみたいものだ。
{フォーラムから2/8借り、3/6読了、記入は3/8}