読書録

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『こういう男になりたい』勢古浩爾

こういう男になりたい (ちくま新書)

こういう男になりたい (ちくま新書)

著者は「自分らしさ」や「がんばらない生き方」などをすすめるメンズリブに嫌悪感を示し、さまざまな論者の見解や本を紹介しながら、男らしい生き方はどういうものかを提示している。論議の仕方には主観の強さに少しひくところがあるが、結論として、努力が報われないかもしれず、一所懸命が評価されず、正直ものが馬鹿をみるかもしれないけど、「男の外の男」は、「結果を自分で引受け、「その場、その時に、最も適切妥当」だと思われることを普通に繰り返すだけ (p196)というのは、そうかと思う。
一方、赤の他人が暴力にあっている現場に遭遇したとき、「義を見てせざるは勇なきなり」か「君子危うきに近寄らず」かどうしたらいいか、まだわからない(p152)と著者がいうところは、自分でもまさにそうだなあと感じてしまう。以下引用。
p32:『橋本治の男になるのだ』より、「男にとって自立よりも重要なことというのはなにか?それは一人前になることです」
p35:『フェミニズムの害毒』(林義道)より、人間はほっておくと女は下品に男は野蛮になりがちで、「らしさ」をすべて否定すると、「人間は下品で野蛮になるばかりである」
p133:『毒舌 身の上相談』(今東光)よりm「目の前の現在の地位で日本一になることだけを心がけていれば、知らない間に、でっかく素晴らしい人間に成長していく」「理解と同情が幅広くできる人-どういう問題に対しても同情できるっていうのが本当の男のやさしさ」
{フォーラムから2/8借り3/4読了、8記入}