読書録

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「本当のこと」を伝えない日本の新聞

「本当のこと」を伝えない日本の新聞 (双葉新書)

「本当のこと」を伝えない日本の新聞 (双葉新書)

ニューヨーク・タイムズ東京支局長として、東日本大震災をはじめ10年以上、日本での取材・報道に携わってきた著者。日本の報道機関に対し、社会正義を追求し権力を監視するジャーナリズムの視点から、記者クラブ制度が当局とのなれ合いになっていて、社会問題を積極的に伝えていないと痛烈に批判している。
そして、インターネットで記事が多く読めるようになった時代でも、信頼できる情報を伝える記者の仕事やブランド力は大切で、ニューヨーク・タイムズでも記者個人にSNSの活用を勧め、有料のウェブ版の新聞をメインにする方向に切り替えているという。
また、記者の給与水準が日本では高すぎてサラリーマン化していることも問題だと指摘し、お金のためでなく、情熱によって仕事のモチベーションを保つべきだとも説く。

たとえば、北沢元防衛相のために記者が誕生会を開いたというS社の記事について、NYタイムスの記者なら即刻クビで、権力者と記者が一体化してしまう記者クラブの本質を示し、この距離感では、「ジャーナリストとしてまともな記事は書けるはずはない」p102と断言している。




{5/30-6/6読了、記入は7作業}