読書録

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贈られた手;家族狩り3/天童荒太

贈られた手―家族狩り〈第3部〉 (新潮文庫)

贈られた手―家族狩り〈第3部〉 (新潮文庫)

p94「真の家族に必要なものは、目新しいものじゃありません。愛です。無償の愛、ただ捧げる愛です。子供からも、配偶者からも、親からも、また周囲からも、まったく見返りを期待しない、おのれを捧げつくす愛こそが、人を、家族を、そして子どもたちをの未来を支えるんです」「人はなにより個人の欲求を優先するようになりました。確かに物質的な豊かさを、社会は手に入れました。でもいま、おれが、わたしがと、多くの人が自己中心的な夢ばかり語っています。自分の夢や理想を追うためなら、子どもを犠牲にしても仕方ないと、そう考える大人がいま多くないですか?」

これは、山賀葉子のことば。しだいに明らかになっていくのだが、この言葉をいわせながら、家族狩りを行うという設定に、なんとも悲しさを感じざるを得ない。

{地下鉄リサイクルコーナーより}