読書録

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ブランケット・キャッツ

ブランケット・キャッツ (朝日文庫)

ブランケット・キャッツ (朝日文庫)

馴染んだ毛布とともに、2泊3日でレンタルされる猫をめぐえる7つの”お伽話”。著者は、あとがきで、桃太郎とかぐや姫と同じように、日常生活の中に突然「異物」が入ってきてドラマが生まれるという設定だといい、そこに希望を見いだしてもらえればということ。確かに、壊れそうな家族がいて、猫を借りることで、なにかほっとさせられる結末を、いずれの短編でも見せてくれ、久しぶりにまた、ほろっとさせられた。あまりに日常でおきやすそうで、この著者の本はたくさん読み、そのたびごとに感銘を受けることができるのだが、どれがどの小説だったのか、記憶力が悪くなったためか思い出せないのが寂しい。温かい心地は覚えているのだけれど・・。


花粉症のブランケットキャット,子どものできない夫婦
助手席に座る◯◯, ふしあわせで横領した女性社員
尻尾のない◯◯, いじめに直面した息子と両親
身代わりの〇〇, おばあさんを施設に送る息子家族
嫌われ者の〇〇, 25歳のフリーターと派遣社員の彼女
旅に出た◯◯, 両親が離婚した兄妹(主人公は猫の視点から)
我が家の夢の〇〇,父親がリストラされる

あちがきp379より
桃太郎は冒険活劇のヒーローではないし、かぐや姫も月から来た絶世の美女ではない。
年老いた二人が天から突然受け取った「明日」だった。
静かで寂しい毎日を急に活気に満ちたものに変えてくれた「希望」だった。
僕はそう信じている。


{09/26〜10/14読了、記入は同日}