- 作者: 天童荒太
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/02/28
- メディア: 文庫
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (55件) を見る
p39欲望を抑えて質素に生きろという両親に対し「だっておいしいものを食べたい、便利な暮らしを送りたいって、そういう欲求が世界を豊かにしてきたんじゃないの?」
p199恋人と家庭をめぐる議論で「夫婦が愛し合って、子供を立派に育てて、マイホームを持って、家族が互いに信頼し合っている・・そういうのが一般的でしょ」
p208「力を持つ誰かが、他者を自分のモノ、自分の所有物と考えて、自己の欲求や都合を押し付ける・・・これが男女の問題にとどまらない、家族をはじめとした人間関係、経済活動や犯罪、そして世界の主たる国々の外交に至るまで、あらゆる言動の根っこにある価値観を成していると、遊子は中学の頃に気づき、強い嫌悪感を抱いた」
この物語の展開の背景には、9.11テロとアメリカのイラク攻撃、難民問題などが織り込まれ、今をどう生きるかを考えさせられる。
{地下鉄のリサイクルコーナーから}