著者の本3冊目、後悔病棟と登場人物が一部重なりながら、展開の仕方が微妙に異なりつつ、二つの本を通じて、聴診器の”秘密”が最後に・・・なかなか面白く、著者の作品はさらに読み進めたいと思う。
出版した小学館のサイト↓には、編集者のおすすめ情報として、
「もしも人生をやり直せたなら、もっと間違いを犯せばよかった。従順な良妻なんかじゃなくて、後ろ指を指されるような人生でも全然かまわなかった」「この世の中はロクなもんじゃない。ロクな大人はいない。頼れるのは自分だけだ」
というコトバを引用して、「全世代共感必至の小説」とアピールしている。
このオススメ情報では、「『きらら』連載作品を、いきなり文庫化!」とあり、きららという雑誌があることも、初めて知る。
本著から印象に残ったコトバを、主な登場人物や解説者ごとに、以下引用して残す。
p168:小出桜子)人を差別したがるのは教養のない人間だと、いつだったか牧田が言っていたことがある。そして教養と学歴は正比例しないのだとも。牧田は言わなかったが、その教養のない人間とやらが世の中の大勢を占めているのを私は知っている。牧田はその事実をきっと知らないだろう。p299:谷村貴子)同一労働同一賃金などと耳に心地いい言葉を政府が掲げて十年近く経つ。北欧の方では実行されているらしいが、日本では未だに絵に描いた餅にすぎない。p342ラスト:黒田摩周湖)今日は夜が更けるまで語り合いたい。(母と)p348:門賀美央子解説)他人を信じる。自分を信じる。自分のために生きる。そして、人のために尽くす。
過去の読書録から、これまで読んだ著者の2作品
なお、著者の名前の読み方は、かきや・みう で、かきたにではない。というところで検索していると、ダヴィンチ・ニュースで、著者の”人気の作品ランキング”が紹介されていて、この希望病棟がトップになっていた。希望がもてるからだろうか。
これからも読み続けてみたい。やること、やりたいことがたくさんあるのが、いい。
{2021/7/3土-8木_読了、記入は7/18(日)}