読書録

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神様からひと言(光文社文庫)

神様からひと言 (光文社文庫)

神様からひと言 (光文社文庫)

 いわゆるサラリーマン小説で、お客様相談室を舞台に、クレーマーやネット炎上に対応しながら成長していく主人公・佐倉涼平の姿や、リンコとの恋愛も交えながら、ハッピーエンドの展開に、読後感は爽快だ。WOWOWですでにドラマ化されているようだが、新たなドラマも放送されることになったとのことで、楽しみ。タイトルは社訓の「お客さまの声は、神様のひと言」から。

 著者の本は、『ストロベリーライフ』 ( http://d.hatena.ne.jp/MrBooPapa/mobile?date=20170325 )から2冊目。本著は、2002年に単行本として刊行され2005年に文庫化されたもので、解説で書評家の藤田香織氏が記しているように、ユーモアの中に「希望」が輝く作品というのは楽しい。「いろいろあるけど、それでも生きていくこと。泣いて笑って考えて、読み終えたときには、「あぁ頑張ろう」と素直に思える(p448)」というのが、とってもいい。


発刊した光文社のサイト⇒ http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334738426


印象に残った一節を引用、同僚で味がありラストでも活躍する篠崎の言葉p355から
「ほら、狭いところでぐつぐつ煮詰まってさ、部長だ課長だ役員だなんて言ったって、しょせん鍋の中で昆布とちくわがどっちが偉いかなんて言い合っているようなもんだ。考えてみ、このおでん屋じゃ牛スジが一番高くて偉そうだけど、他の食い物屋へ行けば使っちゃもらえない。こんにゃくはここじゃ安物だけど、味噌田楽の店にいけば堂々のエリートだよ」
 

{2017/4/10-21読了、記入は29}