- 作者: 原田マハ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/02/05
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る
この著者の作品は初めて読みましたが、感動しました。ネタバレになると申し訳ないので概略にとどめますが、主人公の女子高生と母親との関係や生き方を軸に、背景に音楽が流れながら物語が展開していきます。このひとつ前の読書録に書いた「許せないという病」で、著者の片田珠美氏が書いていた母親が娘の道を決めてしまうことへの反発が、本著では、意外な形で様々な真相(離婚の理由ほか)が明らかになり、中盤の手紙、ラストのG線上のアリアあたりでは、涙が止まりませんでした。
出版した河出書房新社のサイト⇒ http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309020747/
主人公の名前は、梶ヶ谷和音(わおん)、父親は指揮者の奏一郎(そういちろう)、母親は小田時依、そこに、母親になったという真弓、同級生の池山文斗、谷崎朱里が主要人物として登場するが、流れる音楽といい、テレビドラマか映画になっても面白いのではないかと感じた。まだ映像化されていないので、最近の傾向で、先に小説を読んだ場合は、誰が適役かなどと考えてしまう。
気に入った言葉の引用p269
「私、ようやく、わかった。ふたりがそれぞれに、人生を賭けて演奏し続けた理由が。
響き合う幸せを、音楽を愛する人々と分かち合うために。
ふたりは、チェロを弾き続けていたんだね」
{2016/5/31-6/4読了、記入も同日}