読書録

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『おらおらでひとりいぐも』 若竹 千佐子 著 

  第158回芥川賞を受賞し、映画化も。 

 主人公は、日高桃子p67さん74歳、夫は周造(しゅうぞう)p17:さん。不思議な味わいのある作品だった。

おらおらでひとりいぐも (河出文庫)

おらおらでひとりいぐも (河出文庫)

 

 発刊した河出書房新社のサイト↓

印象に残った言葉をいくつか引用↓
p12:あと何年。とにかくこの状態を維持しながら、あと何年生きられるか。んだ。これからは常に逆算して、ものを考えナければならないのであって。
p13:小腸の柔毛突起(じゅうもうとっき)のようでねべか。
p21:あのときは、小さくて分がらながったが、何もできなくなるのが何ぼか心細かったか。
p26:(ぎりぎりのとき、感情を押し込めるために/目先を変えるため、呪文のように地球46億年の歴史を呟く)
(p29:40年ここで暮らした)
p43:期せずして桃子さんも娘を自分好みに思い通りに操ろうとしたのだ。
p51:自分がやりたいことは自分がやる。簡単な理屈だ。子供に仮託してはいけない。仮託して、期待と言う名で縛ってはいけない。
p52:もう誰からも奪うことがない、奪われることもない。風に吹かれて、行きたいところに行く。休みたいところに休む。もう自由だ、自由なんだ。

 

p75:八角山の夢 実在かと思って、山の名前で検索したら↓ 以下がヒット
 再び言葉の引用を以下に↓
p87:おらしあわせだったとも 身も心も捧げつくしたおらの半生 周造のため・・・満足であった。最高でござんした
p88:人のために生きるのは、やっぱり苦しいのす。伸び伸びと羽を広げたい。空を自由に飛び回っていたい。それは誰も本然の欲求だど思う。
p90:おらくやしいのは新しい女のつもりだった。家に縛られない。親の言いなりにならない。・・・結局古い生き方に絡め捕られた。誰それのため生きるという慚愧怨念の生き方をしてしまった。
p94:派手な柔毛突起 愛という名のもとにどちらも十全には生きられない 愛とはどういうものかしら
p115:もう今までの自分では信用できない。おらの思っても見なかった世界がある。そごさ、行ってみって。おら、いぐも。<タイトル>  

 歳を重ね、これからどう生きるか?示唆に富む内容にはなっていたと感じた。

 
{2021/4/20-22読了、記入は4/30(金)}