読書録

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不思議な尻尾

不思議な尻尾

不思議な尻尾

上橋菜穂子さんが今年受賞したことでも知られる『国際アンデルセン賞』受賞作家の遺作というポップに惹かれて手に取る。子どもが小さかった頃は絵本など読み聞かせをしていたが、久しぶりに”童話”的な世界を思い出した。


ハクション大魔王を思い出すような魔法が関係する少年と犬の話ながら、会話の端々から、日常にも魔術のような奇跡があふれているということ、そこで生きることの楽しさを垣間見せてくれる。その言葉を、山田順子さんの訳でいくつか引用。
p131:生きていくということは、一瞬たりとも静止していられないということなのだ。つねに動いていくものなのだ。
p137:この世界は魔法がいっぱいだ。
p138:「ごくありふれたものって、ほんとうはすごいんだなあ」「ごくありふれたものって、ほんとうは、とっても、だんぜん、特別なんだって。でも、あたしたちは慣れてしまって、あたりまえだと思ってる。特に意識して考えたりしない」
p140:「日常のごくあたりまえの世界は、ごく特別でもある。そうなんだよ」


なお、出版した東京創元社のサイト⇒ http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488010386
東京創元社のウエブマガジンで、国際アンデルセン賞関連→ http://www.webmysteries.jp/topic/1412-02.html


このサイトを見て、出版社が去年、創立60周年を迎えていたと知る。さらに50代が選んだベスト1が、「火星のプリンセス」(E・R・バローズ著)と紹介されていたが、確かに読んだ。ただ、SFはかつて相当読んだのに、いつからか、めっきり読まなくなったことも改めて感じる。総得票第一位の「星を継ぐもの」は、ちょうど読まなくなった頃かも知れず、覚えていない。

むしろ今でも印象に残っているのは、アイザック・アシモフの「銀河帝国の興亡」(創元推理文庫)シリーズや「宇宙の小石」など。最も好きなSFの一つだった。ただファウンデーションシリーズの出版社がハヤカワに変わったのは、何か背景があったような気がするが覚えていない・・・デジタル化で出版業界はなかなか厳しいと想像される中、東京創元社について思いを巡らせた。


{4/20-29読了、記入も同日}