読書録

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はじめてのゲーム理論

はじめてのゲーム理論 (ブルーバックス)

はじめてのゲーム理論 (ブルーバックス)

実生活でも役立つ応用がある一方、概念はなかなか難しいところがあり、最後の量子ゲームはほとんど理解ができなかった。数式についても、文系で高校ぐらいまでしか習っていないと、ついていけないところがあり、かつて行列も学んだはずなんだけど、忘れてしまったことを実感するという、寂しい部分もあった。
それでも、コラムとか雑学的には、豊富なエピソードが盛り込まれ、割り切って考えれば、そういう考え方もあるんだと納得できる部分もあった。

・たとえば、一つしかないケーキを兄弟2人で分けるときは、兄が半分に切って弟にどちらかを選ばせるという「カット&チューズ法」は、いろんなところで応用できそうだ。
・中心的な概念として出てくるナッシュ均衡を編み出した数学者ジョン・ナッシュは、映画『ビューティフル・マインド』で描かれた主人公で、この映画は印象深いものがあった。
・ブラフは合理的な戦略p54
・相手の選択をあらかじめ知っているプレーヤーの方が不利な選択をしいられる=全知のパラドックスp101
・民主的な政治を築くうえで最低限度の要請を満たす投票制度を探し求めたところ、得られた結果が独裁制=アローの不可能性定理(p150)
・「個人の自由の尊重」と「全員一致の原則」を同時に満たすルールは存在しないという不可能性定理=アマルティア・センのリベラル・パラドックスp165

なお、著者が最後書いている、「ナッシュ均衡とパレート効率性という二つのキーワードと、ゲーム理論が現実社会の問題解決にメカニズム・デザイン論という形で取り組んでいること、これを覚えていただいていれば、まずは十分です」(p197)という言葉に、救われたと考えようか。


(目次-引用)
プロローグ;

第1章 ナッシュ均衡とパレート効率性;
p30:自分も相手も、お互いに相手の予想通りの戦略を選ぶことが、お互いにとって最善になっている状態が、ナッシュ均衡
p33:ノイマンが考察したゼロ和ゲームにおいては、ナッシュ均衡ミニマックス解は完全に一致する
p39:あるゲームの結果が、一報の利得を下げないではもう一方の利得を上げることができない状態にあるとき、パレート効率的であるという


第2章 混合戦略とナッシュ均衡

第3章 協調問題;
p79:ゲームのプレーヤーとは独立な第三者によって定められたルールに従って行動することがプレーヤーたちにとって最善となっているとき、こうしたルールと行動の組み合わせを相関均衡という


第4章 知識と情報の問題;

第5章 メカニズムデザイン論;
p135:問題となっている状況に新たなルールを設計してゲームを変え、プレーヤーたちにとってより望ましい結果に誘導できないかというメカニズム・デザインの問題
⇒ソロモン王のジレンマ(赤ん坊の真の母親を2人から見抜く)で、王の目標とナッシュ均衡を一致されるのは不可能だが、二段階ゲームを用いれば解決できる


第6章 不可能性定理;

第7章 量子ゲーム;

エピローグ;


{2/18-22読了、記入は2/28}