読書録

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「日本」の売り方

一貫して主張されているのは、日本経済を再生させるカギは、かつてから培われてきた「協創力」(=ビジネスチャンスの実現や夜会変革などの理想実現のために、人と人をつなげていってネットワークを作り、そのネットワークを活用して人間の集団としての叡智を引き出し、革新的なアイディアやデザインを生み出す力を指す。p6)であり、システムズ・アプローチ(=システム思考:つながりを見つける、デザイン思考:つながりをデザインする、マネジメント思考:つながりを創る仕事を段取る の3要素)とそれを実践する「場」があって初めて成立するということ。p106,196

その実例として、厳しい競争環境の中で躍進しているという、ルネサストヨタアルプス電気日立製作所、西島株式会社、ツネイシホールディングス、パナソニック、などの取り組みを紹介している。

そして、「協創力」が日本経済再生の起爆剤になる、と結論づけるわけだが、思想的な方法論のような印象があり、漢字変換ですぐに表示されるようになるまで定着すれば、社会的なインパクトを与えるのだろうか。

最後に紹介している、取材した「協創力」発揮の現場のうち、成功する現場が持っていた共通項5つは、職場の在り方として具体的で、参考になる。p221〜
1.「フラットであること」を楽しもう:議論には序列がない
2.「多種多様であること」を楽しもう:介護や育児、生涯教育など多種多様な経験の担い手からアイディアを
3.「見える化」を楽しもう:議論が乗ってきたらホワイトボードや模造紙に書く
4.「言っていることが違ってくる」を楽しもう:良い意見があったらすぐに乗って作業を進展させる
5.「つながり」を楽しもう:つながりを見つけて可視化し、なぜそうなのか考える

また、p82〜で紹介されている、スタンフォード大学のデザイン研究所、略称d.Schoolの2009/10/12ウェブ配信ニュースから、新入生オリエンテーションで教えられる8か条というのも、心に留めておきたい考え方だ。ここは筆者の訳と解説のみ引用。
1.判断はあとまわし:行動第一
2.数を出せ:下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる
3.会話は一点集中せよ:会話は一期一会
4.「見える化」せよ:文字に落として「可視化」することが問題意識の共有の第一歩
5.「一言でいえば」を考えよ:本質をつきつめ、キャッチコピーを考える
6.他人のアイディアに乗れ:知の卓球ゲームや知のパスまわし
7.議論のトピックを変えるな:お題はかえずブレークスルーへ
8.「無茶振り」のアイディアをおもしろがれ:躊躇せず大胆な提案を

{8/13-15読了、記入は23朝}