- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/02/05
- メディア: 単行本
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子どもと同じ世代が主人公。群像劇のようでなかなか興味深く読んだ。
それにしても登場人物が個性的で数が多く、何度か読み返して思い出しながら人間関係を思い浮かべてみたが、なかなか大変だ。
生徒がランク付けされること、上と下のグループができること、可能性は何でもあるように見えて、もし、何をしてもいいと言われたら、何をしていいかわからい現状などなど。
繰り返し記述される、菊池宏樹の言葉が揺れる心境を描いて効果的だ。
p191:『校長先生のありきたりの言葉も、真っ白なキャンバスだなんて言われることも、部活をやめた桐島も、沙奈の映画部に対する言葉も、バレーボールで食っていくわけでもないのにって言っていた竜汰も、ブラスバンド部の練習の話も、進路希望調査も、体育のサッカーも、武文という男の子の呼びかけも、前田の「わかってるよ」と答えたときの表情も』何より、ゴムの残り個数を頭の中で確かめた自分に、イライラする。
p194:『(同じ)』なんだろう、なんなんだ、浮かんで消えて、浮かんで消えて、浮かんでもう消えなくなった。
p198:『(短縮)』全部、立ち向かいも逃げもできない自分を思い知らされるようで、イライライライライライラして、背中でひかりを浴びる。
{4/13-15読了、記入23}