読書録

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日本を騒がせた10人の宗教家

日本を騒がせた10人の宗教家 (静山社文庫)

日本を騒がせた10人の宗教家 (静山社文庫)

著者があとがきで記しているように、この本は人物を通して知る日本の宗教史という側面を持っているが、仏教用語など沢山出てくるので、概念が把握できないと難しい部分もあった。

また、著者とオウム真理教の関係を省みるとき、苦労して書いているようにも思えた。許せない事件を起こした背景と、そこに集まった信者たち。中沢新一の『虹の階梯』から阿含宗などの影響を受けたと言うが、未だによくわからないところがある。

さらに、関西にも縁があっただけに、当時訪れた場所で、こうした人物が辿った生き方を改めて思い起こした。
京都府綾部市大本教本部の雰囲気というのは、とても不思議ではあった。坂の上の雲に登場する秋山真之が入信していたともいう。高橋和巳の悲の器もこの宗教がテーマだっただろうか、かなり昔に読んですでに記憶になく、改めて読みなおしてみたい。


(目次―引用)
第1章 聖徳太子(五七四〜六二二)「飛鳥時代」―仏教の発展をもたらし、未だにその存在が物議をかもす伝説の皇子;


第2章 空海(七七四〜八三五)「平安時代前期」―密教を日本へ持ち帰り、日本の仏教史を変えた真言宗の開祖;
p67:日本の仏教は、飛鳥・奈良時代の学問仏教を基盤に、その上に平安時代以降に密教が、さらには浄土教信仰がもたらされ、この二つの流れが仏教界全体に深く浸透していく。さらにその上に禅がもたらされ、四層構造をもつ形になるが、とくに密教の影響力は大きく、時代を席捲した。


第3章 円仁(七九四〜八六四)「平安時代前期」―最澄の弟子で、空海最澄を超えた天台宗の完成者;
空海最澄を超えたと位置づけ、その存在の大きさを指摘している。


第4章 日蓮(一二二二〜一二八二)「鎌倉時代」―迫害、流罪、もっとも過激なイメージをもつ日蓮宗の開祖;


第5章 一遍(一二三九〜一二八九)「鎌倉時代」―踊り念仏を布教の手段としてはじめて活用した時宗の開祖;


第6章 フランシスコ・ザビエル(一五〇六〜一五五二)「戦国時代」―日本へはじめてキリスト教をもたらしたイエズス会修道士;


第7章 平田篤胤(一七七六〜一八四三)「江戸時代後期」―神道について独自に思想を確立した、国家神道の先駆者;


第8章 出口王仁三郎(一八七一〜一九四八)「明治〜昭和時代」―強烈なカリスマ性で多方面に活躍した大本の教祖;


第9章 戸田城聖(一九〇〇〜一九五八)「昭和時代」―戦後日本に多大な影響を与えた創価学会二代目会長;
p236:昭和32年4月に大阪地方区参院補選で池田大作が陣頭指揮をとり当選できなかったが予想外の健闘


第10章 麻原彰晃(一九五五〜)「昭和〜平成時代」―無差別大量殺人で死刑判決、オウム真理教密教なのか;
p268:集まってきたのは、主に若者たちで、彼らは金だけがすべてだとするバブル的な風潮についていけず、精神面での充足を期待して
宗教に救いを求めた。


{12/25〜31・・1/5、記入は1/8}