読書録

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『衆愚の時代』 楡周平 著

衆愚の時代 (新潮新書)

衆愚の時代 (新潮新書)

帯にある『「国民のみなさま」が国を滅ぼす。「弱者の視点」より「社会人の常識」を取り戻せ!』と主張し、派遣切りは正しくサラリーマンは気楽ではないと、著者曰く「本音」を書きまくっている。

この著者の本では、「ラストワンマイル」が今のネット社会を舞台に弱者がチャンスをものにする話だったという記憶なので、ここまでの主張には違和感が残る。

著者は藤原正彦氏の著作内容で批判しているところがあるが、社会との関わりなどからは、同じ立場のようにも見え、あえてそこを意識して書いたのかとも思う。

p43:メディアが弱者を作り出す:(引き篭もりやフリーター、派遣労働者など)こうした問題の当事者は、ことごとく現代社会のおける弱者であり、責められるべきは社会であり国であるとされ、批判する人間がいようものなら、間違いなく袋叩きの憂き目にあうことになる。

p62:(人事は)人を出す側と受ける側の合意があって初めて成立する。人事部はその仲介役、つまり仲人の役割をするにすぎません。・・経験を積み、社歴が長くなってくれば、やがて昇格があり、現場を離れて管理職になる。好むと好まざるにかかわらず、そうなるものだし、そうでなければならないのです。

p159:一生懸命働けば、楽しい老後が待っている。そういう未来を見せずして、誰が労働意欲を持ちますか。・・何でもあるのが当たり前、悪いのは社会だと簡単に片付けてしまう風潮がはじこってしまった昨今、もう一度夢を与え、労働意欲を喚起させるためには、豊かな老後、それも当たり前に生活していれば楽しい引退生活が待っている、それをはっきりと示すことが一番だと私には思えるんですがね。

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