読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『牛丼 焼き鳥 アガリクス』 中村靖彦 著

牛丼 焼き鳥 アガリクス (文春新書)

牛丼 焼き鳥 アガリクス (文春新書)

この本は2007年に出版されているが、取り上げられているBSEと牛丼や、鳥インフルエンザ新型インフルエンザ、トクホの食用油の問題など、最近話題になった事柄の背景をわかりやすく知ることができ、勉強になったと思う反面、引き続き大きな課題を抱えていると感じた。

このうちアガリクスについては、亡くなった祖母がガンに効くといって取り寄せていたのに、その後問題になってひどい話だなあと思っていたが、本著を読んで、それほどことが単純ではないことを知った。問題があったのは一部で、効用か毒性かはっきりしない面もあり、この本によれば、開発した「日本バイオ」は、堆肥として中国にまで進出しているという。

トクホの問題は、市場規模が拡大しているだけに一層深刻だ。この本では商品名は書かれていないが、先ほど、「返品希望者には返品を受け付ける」ことになった「エコナ」のことだろうとは想定される。これも発がん性があるのかないのか、野生のマウスか感受性を高めたマウスかによって違うため、はっきりした結論が出ているわけではない。

BSE対策の全頭検査の有効性についても、感情論を超えて、きっちりと議論する必要がありそうだ。食品安全委員会の委員もつとめた著者は、委員会が難しい内容をできるだけわかりやすく説明する義務があるという指摘をしているが、その通りだろう。「健康」「食品」は、ますます関心が高まるだけに、委員会の役割に期待したい。

{図書館から借り1/30読了、記入は同日簡易第六弾}