読書録

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『ジェネラル・ルージュの凱旋』 海堂尊 著

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋

救急医療の現場を舞台にした本作も、登場人物の面白さ、ストーリー展開の巧みさに、引き込まれてしまった。わくわくしながら読むことができる作品で、委員会でのやりとりや、大惨事への対応の場面など、熱くなった。
また、ドクターヘリの導入、AIによる死因診断など、著者が訴えてきている内容が、ストーリーの中で盛り込まれていて、気持ちがよくわかった。
救命救急医の心得とはという口頭試問に対する、佐藤の答え「いかなる時にも、動ぜず冷静に、事態に対し最良の対応を目指すこと」(p363)、猫田師長のいう看護師としての4つの節目「生、老、病、死」を経験すること、というのは普遍的な意味があると思う。

(扉ー引用)
桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。それは救命救急センター部長の速水(はやみ)晃一が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による嫌味な介入や、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の“火喰い鳥”白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか…。そして、さらなる大惨事が桜宮市と病院を直撃する。


{地区センターで借り9/3読了、記入は5日}