読書録

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『オンリーワンは創意である』 町田勝彦 著

オンリーワンは創意である (文春新書)

オンリーワンは創意である (文春新書)

思わずシャープのファンになってしまいたくなるような、現会長が書いた本。株主優先というアメリカ的な経営に対して、社員を大切にし、雇用を守る姿勢を示すところに、共感を覚えた。営業の現場からさまざまな創意・工夫を提案して、トップになった歩みというのは、なるほどと思う。我が家で見回すと、シャープ製品は、携帯電話と、どちらからでも開く冷蔵庫と、かなり昔の電子手帳ぐらいではあるが、冷蔵庫は15年間もってくれているし、両開きというのは使いやすく、その開発話も、この本で紹介されていた。携帯電話も、購入した3年前に、カメラの画素数と機能で、シャープ製のSHにした。かつてのコマーシャルというかキャンペーン文句、目の付けどころがシャープでしょ、というのも思い出しつつ、ちょっと高くて購入は見送ったが、「ヘルシオ」も魅力的な商品ではある。
ただ、音響やAV関連では、どちらかというとソニーなどを利用してきた方ではあり、著者がいうように、ブランドイメージというのは、きわめて大切なのだろう。景気が低迷して経済状況がひどい中、二度とリストラはしないという不文律を守って、なんとか頑張って欲しいと思う。

(扉より)
液晶に「選択と集中」を行い、液晶テレビAQUOSをトップブランドに。「日本で製造業を極める」と宣言し、最先端の亀山工場を稼働。シャープ会長が公開する「オンリーワン経営」の真髄。

(目次-引用)
第1章 オンリーワン経営―「国内で販売するテレビを二〇〇五年までにブラウン管から液晶に置き換える」;
p20:テレビは家電の王様・・ブランドを決める
p41:トップがビジョンを明確に示し、社員が納得するまで根気よく、そして、筋道をたててわかりやすく説明していけば、やがて社内のベクトルはあう。そうなれば、会社が一丸となり大きなパワーが生まれ、スピード感を持って目標に向かうことができるはずである。

第2章 日本で製造業を極める;

第3章 企業の力はブランド力;
p79:コミュニケーション活動7つのポイント
1.コンプライアンスの徹底
2.企業ブランドを高めるテーマに集中する
3.分かりやすい表現
4.表現のトーンや雰囲気のスタンダードを持つ
5.コミュニケーション活動もオンリーワンでなければならない
6.お客様の心に届くまで継続する
7.投資対効果をつねに考える

第4章 リストラなき日本型経営;
p89:創業以来、たったい一度きりの大リストラだった。その出来事を教訓に、シャープには「二度と人整理をしない」という不文律が生まれた。
p98:皆さんが仕事を進める中で、常に現状に疑問を持って戴きたい。・・本質は何か、本来どうあるべきか、ということを考えることが大切です。
p102:「I型人間」より「T型人間」になれ・・まっすぐ一本ではなく、横に広がっているように、幅広い知識やスキル

第5章 オンリーワンは創意である;
p138:経営信条のなかに、二意専心「誠意と創意」・・いかなるときでも工夫と改善に努力して、他社にないものを追及せよ
p142:統合コールセンターで、技術部長クラスが交代で電話対応することで消費者の声を反映させる

第6章 人にマネされるものをつくれ―シャープの「風土」が生んだAQUOSケータイ;
p172:携帯電話SHシリーズがシャープ大賞を獲得・・経営に大きく貢献+カメラや液晶の素早い開発
p175:経営理念「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって、広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」

第7章 環境先進企業へ―創業百周年への夢
p197:私が考える新しい柱は、太陽電池とそして省エネの光源として注目されるLED(発光ダイオード)である。つまり「アクオス」を中心にした液晶、太陽電池、LEDの3本の柱がそれぞれ融合しながらブランドを支えてゆく。そして3本の柱を結ぶキーワードが環境になるのだ。

{図書館から1/18借り1/29読了、記入は2/3}