読書録

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『不祥事の法則』 佐々島宏 著

不祥事の法則―人はこうしてつまずく

不祥事の法則―人はこうしてつまずく

一級建築士の著者は、リスクマネージメントコンサルティングの仕事も増えてきたということで、身近な例を引きながら、わかりやすく、不祥事に対処する心得を説いている。とりわけ問題意識として持っているのは、本人が命名したとする「オハク」=オ博:専門領域に博学だがコミュニケーションが不得手な人が増える一方、ジェネラリストが減ったことが、今の社会や経済の中で障害になっているということで、対策が重要だと訴えている。

また、「ヨヨヨの法則」として、「予知」「予見」「予防」が肝要だと説明する。これができないダメな組織や家庭は“危険なサイン”を「見逃し」「見送り」「見過ごす」。対抗する方策は、p234 お互いの役割を確認できたり、互いの存在を認識したり、目的や優先順位を確認できる仕組みだとする。そして、あえて初歩的な約束事にもマニュアル化して、・・「役」や「筈」をシステムとして導入していくべきだという。

(目次−引用)
p6:(業務上過失@@は、予見義務や回避義務を怠ったことで発生する。)
第1章 こんな会社が不祥事を起こす(企業をつまずかせる「オハク」とは?;知っていることしか話せない「オハク」・・);


第2章 つまずきの「芽」はここに出ている(「気づき」の目がないという不幸;「気づかなかった」では失格・・);
p56:予測していないことは、網膜に映っていても見えず、鼓膜が振動しても聞こえない
p74:不祥事を起こさないためには、常に自分の周りを観察し、少しでも変わっていること、疑問に思うことに対して目を向けることが求められる。・・不祥事を想定しておくことも・・


第3章 不祥事回避に不可欠!「予知力」の磨き方(「算盤ができると経理には最適」という事実;「できること」をサボって起こす不祥事・・);


第4章 つまずく前に「できること」と「すべきこと」(時代に合った「適材適所」とは;モチベーションを高めた「名刺」・・);
p175:人や企業に起こるトラブルは「マクロ」「エリア」「サイト」の3分野で起こり、2つ重なれば不祥事、3つ全部だと大事故、大事件につながる


第5章 家庭の不祥事を回避する7つの常識(「諭し」なしの叱責は不毛である;「少数派の正しさ」に自信を持て!・・)
p190:自分に非はない、孤立しても自分を見失わない、家族という絶対的な見方がいる の3つの強い武器でいじめを克服。一方、社会の不祥事は、正義の欠落(と)事なかれ主義、多数派の過ち、孤立する勇気の不在 によって構成されている。
p221:山本五十六の言葉「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かず」


{図書館から12/21借り1/15読了、記入も同日}