読書録

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『安全。でも安心できない』 中谷内一也 著

安全。でも、安心できない…―信頼をめぐる心理学 (ちくま新書)

安全。でも、安心できない…―信頼をめぐる心理学 (ちくま新書)

赤福白い恋人など、食の信頼を揺るがした事案を盛り込みながら、リスク管理のありかたを、心理学のさまざまな理論を紹介しながら論じている。


(扉より)
凶悪犯罪、自然災害、食品偽装、BSE…。これらのリスクを目の前にしたとき、正しく判断し行動するには、いったいどうすればいいのか?データや事実を積み上げて「安全」であることを頭では理解したとしても、それだけでは「不安」は消えないし、相手を信頼することもできない。必要なのは、理性と感情のメカニズムをふまえた信頼のマネジメントなのだ。不安社会を適切に生きるための実践の書。

(目次-引用)
第1章 「安全」だけでは足りない!;
p36:リスク管理は将来の安全を高める行為であるが、それを駆動させるのは、不安や心配なのである。


第2章 信頼の心理学;
p55〜二重過程理論:精緻化見込みモデルやシステマティック・ヒューリスティックモデル→他人の影響を受けるか受けないか2種類あると考える。判断のための思考量が多くよく考えた上で判断 vs 思考量が少なく手早く簡単に判断を下す。
p65:他者を信頼できることがm安心できることと同じ意味になる。
p69〜信頼の非対称性原理:信頼を得るのは長い時間がかかるが、失うにはたった一つの否定的な事実で十分であっというま。
 

第3章 信頼のマネジメント;
p85:(信頼を得るには)カスパーソンは、「能力」「偏りのなさ」「ケアとコミュニケーション」の三要素を備えている人々に認識されることと主張。


第4章 価値観と信頼感;
p106〜主要価値類似性モデル:リスク管理者と自分とが同じ価値を共有していると考えられるとき、信頼が決まる。→内集団ひいき


第5章 感情というシステム;
p152:感情が発生頻度推定やシルク認知に強く影響する
p165;恐ろしさと未知性という二つの心理的要素で


終章 「使える」リスク心理学へ
p173:危険はたしかに安全を損なうが、安全は必ずしも安心をもたらすとはいえない。
p183:信頼を得るために必要なのは、1.リスクをコントロールするための専門的・技術的能力、2.誠実な姿勢で業務に取り組む高い動機づけ、3.人々と価値を共有しているという主要価値類似性


{図書館で12/21借り1/16読了、記入も同日}