読書録

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『感じない子どもこころを扱えない大人』袰岩奈々著

感じない子ども こころを扱えない大人 (集英社新書)

感じない子ども こころを扱えない大人 (集英社新書)

本は読んでいるのだが、いろいろ忙しく、ここに書き込めない日が続いている。

この本には、実践的な子どもたちとのやりとりの練習問題が示されていて、自分の考えたことが、まだまだ足りないことを痛感させられた。たとえば、p22「私、みんなから嫌われているのかな」と聞かれたら、どう答えるのか?ここで、「どうしてそう思うのか」とか「そんなことない好きだよ」と答えると、いずれもわかってもらえないと感じられるケースがあり、心理学でいう模範的な繰り返しで答えても、さらに落ち込むこともあるという。そこで著者は、感情を表す言葉を使い、「嫌われているのかな、と思うと不安な感じがしたりするけど、どうかな」といった共感的な言い方で子どもたちの気持に触れていくことを紹介する。p31

また、p47で、「いじめに限らず、そのときどう感じたか、そうされたらどう感じるか、といった気持、感情のレベルで大人が子どもに話してみる。そうすると、思いのほか、子供たちに伝わりやすいという実感を私は持っている」と紹介し、今の社会が、効率や能率の良さが最優先されることで、感情や気持ちを扱うことが不慣れになってしまったことを問題と認識している。

気づいた感情を、どう伝えるのかについては、DESC法を紹介している。p133〜
Describeは、描写する。   例・・洗面台がびしょびしょになる。/3日連続帰宅時間が遅い


Expressは、表現する。     ・あれをみるとげんなりする。みじめな気分になる。/夕飯が無駄になるとがっかり


Specifyは、特定の提案をする。 ・使った後は雑巾でふいてくれない?/食べないときは朝いうか、連絡して


Chooseは、選択する。     ・気分がめいると繰り返す?お土産欲しいなど約束?/10時すぎたら片付ける今週は作らない など。


→この手法は、うちでも家事の分担などをめぐって使えそうだ・・・すぐにお互いにかっとなってしまうところがあるけど、事実と気持ちをちゃんと伝えることが大切なんだろうと思う。

この本の最後の方にある大人が自分の気持に気づく練習問題というのもなかなか考える機会を作ってくれる。
1.あなたが、この2〜3日で感じていることは? ←自分の気持に気づく
2.あなたが楽しいと感じるときはどんな時?  ←プラス感情を掘り起こす
3.最近、「きれい」と思ったのはどんなこと?
4.怒りを感じるのはどんな時?それをどうすっきりさせている? ←ネガティブな気持ちを掘り起こす
5.いままで一番悲しかったことは?それをどう乗り越えた?   
6.自分が今までにやりとげたことで、我ながらよくやったと思うことは? ←自分の元気を支える
7.自分が自殺しない、生き続けている理由は?
8.最近、自分にごほうびあげたのはいつで、どんなごほうび?

そして著者は、人間関係で悩みなど感じたら、「気持ち」に注目することを勧める。自分の気持ちの中に解決の糸口が隠れていることが多いからだという。「別に」「わかんない」という子どもに対して、その言葉の後ろに隠れた気持ちを子どもが言葉で表現できるよう、大人も急ぐことなく子どもと一緒にやっていったらという。

実際、私のところの長男も中学生になり、何を聞いても「別に」「わからん」が多くなっているが、なんとか心を合わせあいながら、気持ちが伝えられたらいいと思う。

{フォーラムで6/29借り7/14読了、記入は15日}