読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『格差社会スパイラル』 山田昌弘 伊藤守 著

格差社会スパイラル コミュニケーションで二極化する仕事、家族

格差社会スパイラル コミュニケーションで二極化する仕事、家族

格差の拡大や固定化といった社会の変容にあわせて、これから必要な能力は「コミュニケーション」であると説く。年功序列が崩壊し成績主義が中心となり、自分で切り開いていかないといけない将来。ここに書かれているような能力がはたして自分にあるのかどうか、すでに組織の中では厳しい立場に立たされているともいえ、どう自分の人生に物語を創っていくのか。本では最後に「夢を見ることでも希望をもつことでもなく、自分の物語に責任をもつこと。そのためにももっとコミュニケーションを」(p236)というが、あくまで夢や希望は、持ち続けたいものだ。多くの部分には納得したが、この最後のところには、少し引っ掛かりました。以下、引用。

p02:年功序列、定年まで安定していた職場環境が徐々に崩壊し、安定した社会からさまざまなリスクが発生する社会に移行してきました。学問的にいえば、社会全体の自由度、リフレクティビティ(再帰性)が増し、従来の制度に依存した生活ができなくなってきたということです。・・コミュニケーション能力のない人は、自分が意図した人生を送ることが難しくなっています。

p16:コミュニケーションの中核にあるのは、「見る」「聞く」「触れる」そして「フィードバック」です。

p36:心理学者のアルフレッド・アドラーは、「人が仕事で失敗するのは、知識や技術が足りないからではなく、人間関係が創れないことが原因の90%である」と言っています。

p76:コミュニケーション・スキルとは・・人との関係を円滑にしたり、仕事を効率化したりする「価値」を生み出す大切なもの・・高さは、誰にでも真摯で平等な態度で接する、感情のコントロールができている、相手の話に耳を傾ける、など豊かな感受性を必要としている。

p138:「格差は子どもへ引き継がれる」;社会学者のG・エスピン=アンデルセンは、認知的能力は、子供の時代から身に付くと述べ、3つのポイントをあげた。1.家に本があるか(親が本を読んでいるか)、2.親が知的な会話をするか、3.小さい頃から展覧会やコンサートにつれて行ってもらっているか。←口論が多く、知的な会話はできていないかも・・・

p156:若者たちが抱える希望喪失のロジック:努力しても報われない。報われないから希望が持てない。そんな毎日を淡々と過ごしている若者たちは、叶わぬ夢を支えに生きている。

p204:これからの時代を生き残るため、儲かるためには自律性を養い、どんどん自分で行動できる人間でなければなりません。

p214;最も効果的なコミュニケーションとは、20%の意見と80%の質問です。

p225:「今までになかった新しいモノを生み出し、消費者が望んでいるものを的確に察知し、適切なタイミングで提供できる」人材が必要とされています。・・この能力について、経済学者ロバート・ライシュは、「変人能力」と「精神分析者的能力」という2つの要素を挙げました。

226:儲かるための「三種の神器」=3つのC、1.クリエイティビテイ=創造性:人と違ったことをする発想をすること。2.コミュニケーション=相手の欲求を見抜く:3.クール=美的センス:

{フォーラムで5/2借り11読了、記入は16}