読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

ウェブ時代をゆく/梅田望夫 を読んで

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

本は今月10日には到着し、読みかけの本があったため、14日から読み始めて、21日に読み終わりましたが、読後感としては、将来に希望を持てて明るくなることができました。このブログでこれまでやってきたように、印象に残ったページと内容を列記しつつ(その部分が波長があった・・ということだったと、この本を読んで感じましたp139)、感じたことを書いていきたいと思います。

p11:これからの世代は、「時間」と「距離」と「無限」についての新しい感覚を身につけていく。世代間の能力差や理解の断絶は、これから一層深刻になるかもしれない。

p14:ネットに希望を抱く5つの理由 1.巨大な強者より小さな弱者と親和性が高い 2.人々の善を主須恵器する可能性 3.一部の人たちに限定された行為(表現や社会貢献)をすべての人々に開放する 4.個の固有性を発見し増幅することに極めて有効 5.多様な選択肢を増やす

p18:今年は「群衆の叡智」元年という未熟な段階で、未来に向けて可能性は発展していく

p25:「学習の高速道路」→「その先の大渋滞」

p30:新しい職業環境が多様に花開く方向性を信じたい

p37:ボランティア活動によって支えられているのは、インターネットはそもそも、「リベラルで開放的ですべてを共有して、中央に集中した権力を持たない」という「成り立ちの思想」を持つからだ。

p46:ウェブ2.0とは、「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」が本質だが、重要なことは、そのサービスが無償、またはそれに近い形で提供されること。

p48:「経済のゲーム」より「知と情報のゲーム」に、アメリカの若い子どもたちが面白がっている

p85:大学の専門では「エリート」集団に属することはできなかったが、「大衆」の中に埋没するのも違和感がある・・場合の可能性。

p90:時間だけがすべての人に平等に与えられたリソースである。

p93:大組織で成功できる要素 1.自分の生活を他者に規定される転勤などを心から楽しめる 2.与えられた課題や問題を解決することに情熱を傾けることができる 3.好き嫌いやこだわりがあまり細かくなく、あっても苦手を克服することを好む 4.ルールを与えられたらその世界で勝つことにまい進することに興味を覚える 5.多くの人と力を合わせることで大きいことができる充足感 6.長時間長期の組織のコミットメントをいとわず、それを支える持久力にすぐれる 7.組織への忠誠心や使命感のほうが、個の志向性よりも価値が高いと考える

p96:若い人に贈るシリコンバレーで学んだ3つの言葉 Only the Paranbnoid Survive / Entrepreneurship / Vantage point

p100:「高速道路」を降りて「けものみち」を歩く → p110 けものみちでは「働き者」対「怠け者」が軸となる

p119:「ロールモデル思考法」直感を信じるところから始まる。外界の膨大な情報に身をさらし、直感でお手本を選び続ける。・・人生のありとあらゆる局面に関するたくさんの情報から、自分と波長のあうロールモデルを丁寧に収集するのである。p135:自分の志向性をより細かく定義していくプロセス。p137:ブログを書くことと親和性が高い。

p142:戦略性と勤勉:好きなことを見つけたら、面倒なことでも続ける勤勉さと、面倒くさがらない持続力。

p147:現代の知的生産の変化 1.素材がウェブ上に無償で無限にある 2.道具の進化 3.成果を公開し共有 4.知をめぐる交流と成長 5.個人の信用創造装置 6.公開で社会貢献活動に 7.群衆の叡智が生まれる

p162:可能性を追求する発想の転換 1.ネットの上の不特定多数を信頼する 2.閉から開へのマインドセットの転換 3.希少性をコントロールする概念からの脱却

p178:情報流通を管理された方が、社員は楽。すべての情報が共有されることは、自分の仕事をこなすのは当たり前で、会社全体で起きているすべてのことに関心を持ち、積極的に関与することが奨励されることでもある。p182:有事には情報共有を前提とした組織になる

p193:「大組織のプロ」をめざすのか、「吸収できることをすべて吸収して辞める」か。

p194:「組織内のカサンドラ(凶事の預言者)を大切にせよ」危険な兆候 1.ゆったり時間が流れる 2.変化があまりない 3.新しいことは何もしないことが評価される 4.小さなことでも判断の責任を集団に分散する傾向 5.幹部が会社のプロばかり

p203〜4:「古い職業」=高く険しい道 と 「新しい職業」=けものみち のケーススタディ/大学卒業後、NASAとグーグルどちらを選ぶか?

p208:ウェブ・リテラシー 1.ネットの仕組み原理を詳しく理解 2.サイト構築力 3.バーチャル経済圏を理解 4.ITやウェブに対する理解とプログラミング能力

p235〜6:格差社会下流社会の議論は一人一人の可能性を限定して失礼・・・個に「次女の精神」さえあれば、追求可能な新しい可能性やその方向性を考える。

p237:社会変化とは否応なく巨大であるゆえ、変化は不可避でとの前提で、個はいかにサバイバルすべきかを最優先に考えて生きてきた。

p238〜9:休む間もなくふらふらになりながら20代を生きた・・・ウェブは「志」を持つ人にとって大いなる味方たる強力な存在なのだ。


・自分は、著者の2歳若いほぼ同世代で、学生時代は「文系」。「大組織」に入りながら、「プロ」にはなれず、将来の展望もよくわからない状況だ。同窓生にあうと、組織に入りながら、仕事や人間関係で、厳しい状況に追い込まれている人間も多い。

・この著書は、若い世代や未来の社会には、こういう展望もあるんだという希望を与えてくれると思う一方、僕らの世代にとっては、45歳を超えてしまった今、何ができるんだろうかと考えてしまう。社内では、ネットやSNSの有用性などを広めようとしても、なかなか動かないし、風通しがよくなるような気配もあまりなく、むしろp194のような兆候がないわけでもない。
・一方、自分を振り返って、p208にあるような能力はとてもない。今から「仕事」で、書かれているような生き方をするのは、難しいのだろうと思いつつ、一方で、「病気」や「教育」、「消費生活」など、さまざまな場面で、ネットを利用し、仕事外の人たちとの交流が生まれ、なにか社会に役立っているというような実感を持てる部分もあある。

・著者は、「働き者」と「怠け者」の対比を描いていたが、これまで共働きで仕事と子育ての両立に苦労してきたことや、子どもが突然病気になって経験したことを思うと、「働き者」でないといけないという点については、そうはなれない人もいて、何が幸せなのかを考えながら、また違った意味の働き方もあるのかもしれないとも思う。「ワークライフバランス」についても、今関心を持っている。
・また、長男が中学に入り、これから先を考えると、親の立場としては、「けものみち」より、「古い職業」の方でなんとかなるようにしてあげたいと思ってしまう。「中学受験」をめぐる過熱状況を考えると、不安な時代だけに、そういう親も増えているような気がする。
・一方、IT技術も早くから馴染んだ方がいいかとも思うが、これは母親の方が好ましく思っておらず、難しい。変な話、僕がパソコンに向かっていること自体が、家族を軽視して許せない(常時接続は電気代の無駄といって決して許されず、ちょっとでも席を外すと、電源の根元から抜かれていることがある)という姿勢で、こういう身近なところから、なんとかウェブへの理解を深めてほしいと思っているのだが・・・
・さまざまな面で難しい時代である以上、著者のように、前向きに、明るく生きていきたいと思います。その元気をもらい、ありがとうございました。

{11/10到着 15〜21で読む/記入は11/27}