- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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荒唐無稽な設定かと思ったが、結構引き込まれ、なかには涙を誘う部分もあり、面白い本だった。
主人公の笠原郁(かさはら・いく)、教官で上司の堂上篤(どうじょう・あつし)、この二人を軸に、「メディア良化法」が作られて検閲がまかり通る世の中で、「図書館の自由法」によって、本の自由を守ろうとする防衛隊。エンタメ系の本まで規制されて、疑問を持つ子どもたち。本を取り上げられそうになって助けてもらったことから、防衛隊員をめざすようになった主人公。助けながら規則を破ったことでその生き方を否定しようとしていた教官。琴線に触れたのは、本への思い、原則・規則とは別に正直に立ち向かおうとするところだっただろうか。
このような極端な時代にはならないだろうと思いつつ、ちょうど最近、「ウルトラバイオレット」とか「Vフォーバンデッタ」という抑圧された未来社会を描いた作品を立て続けに見ていただけに、本を読む自由、心の自由というのは、やはり大切にしたい。また、子どもはファンタジーものが大好きで、たまには違うのを読んだらいいのにと思いつつ、好きなのが一番なのだろうと、あまり口出しはしないようにしたほうがいいかなあ、とも思わされました。
p271「本を焼く国ではいずれ人を焼く いい古されたその言葉は」
{図書館で10/27借り11/08読了}