読書録

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大橋鎭子と花森安治『暮しの手帖』二人三脚物語

大橋鎭子と花森安治『暮しの手帖』二人三脚物語

大橋鎭子と花森安治『暮しの手帖』二人三脚物語

 放送中の朝ドラ「とと姉ちゃん」のモデル、『暮しの手帖』の社長・大橋鎭子と編集長・花森安治の実際の話を、これまで取材してきた著者が書いた内容で、こうした本を読むと、ドラマをより楽しむことができることを実感する。

 ドラマでは、9/12〜17で放送された、新聞社にアカバネを含むメーカーと「あなたの暮し出版」が一堂に会した公開試験というのが描かれたが、本著で実際にあった公開試験は、石油ストーブをめぐる「水かけ論争」があったとのことp144〜。バケツの水で消える」という雑誌広告に対し、東京消防庁がまず毛布で炎をおさえることが先決だとし、1968年(昭和43年)2月7日付の朝日新聞朝刊が「燃えさかる”水かけ論争”」の大見出しで”煽り立て”、21と22に公開実験をしたという。初日は引き分け、二日目は水が有利で、自治省は明確な判定は出さなかったが、「あらかじめ水バケツを用意しておくことがよい」と事実上水が効果的なことを認めたという。このほか”直線裁ちp80”については、実際に掲載されていたとのこと。
 

出版した北辰堂出版のサイト→ http://www.hokushindo.com/ippanshi/
この書籍への直接リンク→ http://www.hokushindo.com/ippanshi/book/kurashinotecho.html


 また、雑誌作りと広告の常識として著者が紹介している「AIDA」の法則の、第1のAアテンションで、表紙に美人画や有名女優を使わず、第2のI目次を読みやすくする、という点など、『暮らしの手帖』は、こうしたセオリーを破り、創刊号のあとがきに反論や批評を予測したような言葉を掲載していた(p13)というのも、なかなか興味深かった。


{16/09/13-21読了、記入は25}