つながりを煽られる子どもたち――ネット依存といじめ問題を考える (岩波ブックレット)
- 作者: 土井隆義
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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川崎中1殺害事件で、SNS利用との関連を指摘する識者がいるが、どう考えたらいいのか…副題にある「ネット依存といじめ問題」は「つながり過剰症候群」として、本著では最後に、「君子は和して同ぜず、小人は同して和せず」という論語を引用して、「他者と適度なつながりを保ちつつ、そのなかで同時に多様性を確保していくにはどうしたら良いのか、その観点から考え、対策を練っていくべき」p87と提言している。
岩波書店のサイトに目次あり→ http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2709030/top.html
印象に残ったポイントをいくつか引用
◇子どものネットを介したコミュニケーションの目的は、用件を伝えるのではなく、互いに触れ合うことp15
◇アイエンガーの選択、24種のジャムと6種のジャムでは、購入が3%と30%多様化の皮肉p44
◇自分の書き込みに興味を持ってもらいたいという承認願望の強さ→東京広告協会はSNSをもじり「そこらねん・なかまうち・サービス」になっていると形容p47
◇ジョハリの窓 自分は知っている 知らない
他人は知っている 1開放の窓 3盲点の窓
他人は知らない 2秘密の窓 4未知の窓
←予定調和でキャラを演じあうと長い目では脆いp74-76
教育について、2月28日に池上彰氏が「世界を知れば大阪が変わる」という番組の中で、オランダの例を紹介していたのが興味深かった。3学年が同じクラスで幼稚園〜小学校まで自分の関心でグループごとに学習し上級生が教える、早い段階で進学か一般か職業訓練校かを選択させ、自分のあった道を選び途中から変わることも可能。いじめ対策では、ロールプレーのような訓練をするとともに、子ども同士で話し合わせるなど、いろいろ参考になる気がした。ただ、人口規模が日本ほど大きくなく、同一賃金同一労働、高福祉高負担というような制度にあるかとも思うので、いかによいところを取り入れていくか?「いじめ」は撲滅できればいいが、人間の心理の深いところにも根ざしていると思うので、悲惨なことにならないよう、いかに抑止していくか考えたい。
{3/1-2読了、記入は7}