読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

君の会社は五年後あるか?

2010年の日本における「働きがいのある会社」第一にになったという「ワークスアプリケーションズ」(ソフトウェア)の起業家が、このベンチャー企業設立の経緯や取り組みを紹介した本。

「日本のクリティカルワーカーに活躍の場を」と「日本企業のIT投資効果を世界レベルへ」という二つの創業理念を軸に、優秀な人材ををいかに採用して、働きがいのある会社に育てていったかがわかる構成となっている。

成果ではなくプロセスを重視し、相互多面評価を行う人事制度や、フルフレックス制、子どもが小学校を卒業するまで13年間の時短勤務を認める「ワークスミルククラブ」、産休後の職員に年棒の15%をボーナスとして支給する制度など、社員からの提案をいかして実現したこうした取り組みは、とても素晴らしいと思う。さらに、大学生を対象にしたインターンシップに日給1万円を支給し優秀な人材に「入社パス」を出したり、退職した後も復帰を認める「カムバック・パス」を発行したりするというのは、これまでに聞いたことがない仕組みで、高い評価を受けることも不思議ではない。

ただ、これだけのことが実現できたのも、「優秀な社員」が集まっている少数精鋭型の組織だったからで、規模が大きくなると官僚組織的なことになりかねず、どうマネージメントしていくかが、これからの課題のようにも思う。なお、著者が言う優秀な人材とは、ロジカルシンキング能力が高く、かつ、クリエイティブシンキング能力が高い(p67)「頭の回転が速く、頭の柔らかい人材」(p86)、「他の人ができないことを発想を変えて試せる人」(p139)などとしているが、自分にあてはめてみると、そこは厳しいような気もする。地頭が良くないと言われても、そうでない人はどうすればいいのだろう。

{10/24記入}