- 作者: 木野龍逸
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/04
- メディア: 新書
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トヨタのハイブリッド車「プリウス」開発をめぐる動きが、人を中心に描かれている。トップの方向性を示した決断があって、知恵を結集していく様は、かつての番組、プロジェクトXを見ているかのようだ。
ただ、1997年のCOP3京都会議に間に合わせるために、試行錯誤しながら車づくりを進めていったことはわかるのだが、スケジュールが先にきて、無理をしていたとも感じた。
トヨタ車のリコールが、アメリカをはじめ世界に広がり、安全神話に陰りを見せているが、その背景には、こうした無理もあったのではないのか。
「わずか2年で成し遂げた奇跡の車」と著者はほめているが、逆に開発の難しさ危うさを感じた。
その一方、他のヒット商品と同じように、たとえその時は反対されても、いかに時代の先を読み、信念を持って進めていくことが大切かを改めて痛感した。
p169:初代プリウスは「環境でごめんね」という車だった。
p213:「トップ役員がリスクを負うというなら(プリウスのような開発手法は)アリ」
→目標に向かって、上から現場まで一本の芯が通っていたことが、今に至る技術的優位を生んだ。
{図書館から借り1/22読了、記入は1/30簡易第一弾}