読書録

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中高年がキレる理由

新書806中高年がキレる理由(ワケ) (平凡社新書)

新書806中高年がキレる理由(ワケ) (平凡社新書)

 コンビニで並んでいて遅いと怒鳴る人、電車で肩がぶつかったと怒る人、確かに身近にたくさん、キレている中高年の方々を目の当たりにしつつ、自分でも確かにキレて爆発しかけることがある。著者はまず、キレるというコトバを「心のなかに裂け目が生じて、これまでえ保たれていた秩序が崩れること」p12と定義して、論を進めていく。

 本著を読み、その背景が整理してわかりやすく説明されていることから、メカニズムを理解して、冷静に対処することを認識するようにしたい。

 著者が終章のp193〜194で書いている以下のコトバを引用して紹介↓
◇「苦悩を経験してきた分、人間に深みが出ている。そうした成熟の価値を認識することで、ゆったりとした気持ちで日々を過ごすことができるようになる。それが、衝動に振り回されないタフな心をつくるには、もっとも大切なことと言える」
◇「新たな生のスタイルの確立が求められる、それによって人間の完成度が高まる、というように肯定的にとらえることだ。そして、内面の成熟に心を傾けるのである。スピードや量にこだわるのでなく、質にこだわるのである」
◇「人生の折り返し点を過ぎてから陥りやすい心理についてきちんと理解し…前もって知っておくことで、いざというときに効果的に対処することができる」
 これらの点を心にとめておきたい。


出版した平凡社のサイト→ http://www.heibonsha.co.jp/book/b217162.html


 備忘録としていくつかのポイントや用語を以下に引用メモ
◇心理学の理論「欲求不満−攻撃仮説」p37、思い通りにならないとキレる

◇人生の折り返し点=過渡期の危うさ、ポール・トゥルニエ著『人生の四季−発展と成熟』ヨルダン社p49

◇上昇停止症候群p55:人生の下降線をたどりはじめ、限界を思い知らされたときに生じる
+経済成長も止まりポストが空く気配がなく閉塞感(p78)
+評価のため成果の数値化に抵抗、不自然な形で無理やりでなじめず、仕事の質の要素があると文句(p82)
+雑談が消え、個々にパソコンに向かって黙り、人間味のない職場に味気なさやストレスを感じる

◇アニマの投影p123:C・G・ユング他『人間と象徴-無意識の世界(下)』河出書房新社より、男性の無意識の中の女性像で、中年期に恋に落ちることも

◇中年期に、子どもの問題、夫婦関係の問題、老親の問題など、家族をめぐる葛藤が渦巻くp62
アイデンティティの問い直しで、もう少し自分を大切にして自分らしい納得のいく生活をしていきたいp129
+中高年男性に自殺が多いのは、仕事一筋から前提が取り払われ途方に暮れる
小浜逸郎『「男」という不安』PHP新書よりp145
+稼ぎ手役割を正当に評価してもらえない理不尽、一億総活躍社会に反発p157
リクルートジョブズ「求職者の動向・意識調査」で男女、1生計、2こずかい、3貯蓄までは同じだが、男性は4ローン返済、5経済的自立に対し、女性は社会とのつながり、自分の成長と目的に相違ありp160

 
{2017/9/14-15読了、記入は18月祝}