読書録

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『ジャーナリズムの可能性』 原寿雄 著

ジャーナリズムの可能性 (岩波新書)

ジャーナリズムの可能性 (岩波新書)

かつて『非武装中立論』がよく読まれた時期があったが、遠い昔のことに思えるような昨今、著者のいう理想はよくわかる気もする一方で、九条ジャーナリストという言葉自体が、なかなか難しいような気もする・・・。


(目次-引用)
序章 問われるジャーナリズムの権力観;第1章 権力監視はどこまで可能か;

第2章 強まる法規制と表現の自由

第3章 ジャーナリズムの自律と自主規制;
p76:エリス・クラウス『NHK VS 日本政治』は島・海老沢会長時代の最近20年間にNHKの自己検閲が増えてきたと指摘、「政治干渉からの保護を規定した理想的な法的枠組みが正式に存在するにもかかわらず、私的な関係や非公式な関係を通じて、間接的に隠れた政治介入が深く行われている矛盾こそ、日本の特異性である」と分析している。


第4章 放送ジャーナリズムを支えるもの;


第5章 世論とジャーナリズムの主体性;
p137:(新聞と戦争の連載を担当した上丸洋一編集委員は、なぜ朝日は節をまげたのかを自問して、軍部や右翼の圧力や不買運動の事実を挙げた上で)しかし、それより、大衆(マス)を基盤とする朝日新聞が、結局のところ、大衆の意思に背を向けて少数意見に与する勇気を持てなかったことこそが本質的な問題だったのではないか、と私は考える。(新聞研究2008年6月号)


第6章 ジャーナリズムは戦争を防げるか;
p150:問題は、”九条ジャーナリスト”と呼べるほど反戦に徹した報道人がどれほど生まれ育ったか、である。・・・日本国憲法九条は、この国のジャーナリストの生き方とジャーナリズムのあり方を、基本的に枠づけてきた。この点を避けて日本のジャーナリズムは成り立たないように思う。


第7章 ジャーナリズム倫理をいかに確立するか;

終章 ジャーナリズム再生をめざして
p212:権力監視、社会正義の追求を軸とした調査報道の取材力を持つジャーナリスト集団は、高度情報化社会の核としての期待を担う。・・良質でオリジナルな公共性の高い情報をどれだけ収集・分析・発信できるか。


{図書館で3/14借り27読了、記入は4/3作業中}