読書録

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『おとなの男の心理学』 香山リカ 著

おとなの男の心理学 (ベスト新書)

おとなの男の心理学 (ベスト新書)

タイトルからは男一般かと思って手に取ってみたら、どちらかというと、おとなというより老壮年期の男を対象にしていた。それにしても香山さんは、幅広くまた数多くの著作があるが、それぞれ実際のケースを経験しているだけに、説得力があるし、わかりやすい。僕自身はこの対象より少し若いとは思うのだが、今後を考える上では、参考になる。とりわけ、プライドをいつまでも持っていてはいけないこと、変化に柔軟に対応していくこと、が大切なんだろうか?シニアライフというのは、遠いようで、実は間近に迫っているのかも知れない。


p53:男性の場合は一度手にした肩書や社会的評価が自尊感情に直結し、それが失われそうになると怒り、イライラ、傷つき、落ち込みといった反応を見せるのに対し、女性はむしろそういった肩書きや収入とは異なるものに自尊感情の源を求めようとして、それが手に入らない場合に心のバランスを崩す。・・ボランティア活動でシニア男性は自尊感情を失う恐れがあり、女性は高めることができる。


p138:「老いを迎える男性たち」の問題について、・・共通の心理がありそうだ・・それは彼らの中にある「中年期までの生き方を変えたくない。あるいはどう変えてよいかわからない」という強い思いだ。若いころと同じように働きたい、同じように精力を保ちたい、同じように子どもにとって頼れる親でいたい。・・・少しでも変化の兆しが見られるとうろたえ、なんとかしようと必死になる。・・・つまり彼らは、女性以上に、年をとることを恐れているのである。


p151〜バリントの分析「変化を受けいられられる」方の人を「フィロバット」受け入れられない方の人を「オクノフィル」と呼ぶ・・フィロバットにとっては、老後に起きる変化もまた楽しみなことでさえあるのかもしれない。


p178:健康に一番悪いのは、病気になったらどうしよう、病気になってしまってどうしよう、と不安や恐怖にかられることだと確信するようになってきた。


p185:大切なのは、今を受け入れ、未来を恐れないこと。これまでの人生を伴走してくれた家族や友達と、惰性だけで付き合い続けるのをやめて、もう一度、その関係を見直してみること。これに尽きる。

(目次)
第1章 おとなの男の心理学;
第2章 壊れる自尊心;
第3章 ちょいモテオヤジか更年期男性か;
第4章 なぜ妻に逃げられるのか;
第5章 親を“卒業”できない;
第6章 老い方を知らない男たち;
第7章 健康との上手なつきあい方


{フォーラムで12/14借り1/9読了、記入は10}