読書録

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『偽善エコロジー』 武田邦彦 著

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

メディアリテラシーが試される本。「地球に優しい」として取り組まれている活動のほとんどが、意味がないとして否定されている。レジ袋をやめること、再生紙を使うこと、割り箸を使わないこと、ペットボトルのリサイクル、プラスチックの分別収集・・・ダイオキシンは有害でない、地球温暖化は止められない、など、政府や市民団体などが主導している取り組みのほとんどが否定されている。

その論拠として、間伐材と割りばしの関係、プラスチックの分別などは、他にも指摘されているので、そうかとも思うし、最後に指摘しているp230「公的なデータには誤りがない」と考え、マスメディアは「公的なデータさえ使っていればクレームをつけられない」と安易に処理してきた・・・公にされた知識や情報をつねに検証し、オリジナルなデータと思想を持つことが大事・・「なぜそう言えるのか」という問いを、どんな情報に対しても、一度投げかけてみることが大切だと思います。 ということは、まさにそうだと思う。

しかし、温暖化防止について、台風を止めるのと同じことで、CO2の削減もほとんど微力で防げないのだから、意味がないという論法については、違和感を感じた。たとえわずかな力であっても、そういう意識は持って努力していくことは、ひょっとすると今後大きな動きになる可能性もあり、大事ではないかと感じるから。そこまで否定することはないでしょうという感覚だ。

ただ、本著で指摘しているように、再生紙やペットボトルのリサイクルなどが本当に意味がないとすれば、たとえ政府がやろうとしていることであっても、ちゃんと議論して、よりよい形になっていけばよいとは思った。

(以下引用)
p18:レジ袋を追放すると石油の消費量が増える:レジ袋の量-{エコバックの量+専用ゴミ袋の量}のため。
p69:「二酸化炭素を減らさなければいけない。私はこれだけやっているのだから、ああんたの国もやりなさい」と言い始めると、まわりの国は引いてしまって、国際的に孤立した状態になっているのです。
p77:不都合な真実の映画に、ロンドンの高等法院は、9つの誤りがあり、危険を煽りすぎていると、上映に条件をつけた:水面が6メートル上昇するのは数千年後。
p82:ダイオキシンは有害ではない。
p163:アルミ缶のリサイクルは地球に優しい
p168:愛知万博の分別収集で、「全部まとめた捨てた」との情報があり、万博の事務局とNHKは、回答していない。
p196:ペットボトルの回収に自治体は405円の税金を使い、40円で買って、中国に50円で売っている
p201:廃家電のリサイクル料金は、実際には中古品として売られ、リサイクルされていない。
p219:世界の温暖化ガスの5%しか出していない日本が、その6%を削減したところで意味がないのは誰でもわかります。意味のないことを国を挙げてやっているのですから、穀物自給率を含めて「日本という国は理解できない、信用できない」ととられても仕方がありません。
p227:環境問題のウソをいい機会として、これまでの「環境のため」と思ってきた生活を、「人生のため」という生活に切り替えてみてください。

{地区センターで10/5借り14読了、記入は18}