読書録

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40歳からの心理学/香山リカ

40歳からの心理学

40歳からの心理学

生き方を考える本がベストセラーに入る傾向が続いているようですが、確かに、かつてのようにただ働けばよりよい生活になるという時代でもなくなった中で、日々考えさせられてしまいます。とりわけ40歳代後半に入り、組織の中での限界が見えてきて、自分はどうしようもないなあ、なんて考えてしまうと、楽しくもありません。この本では、そんなことを考えずに、肩を張らずに考えたらいいといってくれているような気がして、ちょっとほっとした気になりました。第5章のタイトル〜「心の難民にならないために」★45歳からの「オトナ」の幸せ〜をかみしめながら、印象に残った言葉は以下。

p5:40代、すべてを手に入れようとしすぎず、自分にとってほしいもの、いらないものをはっきり見極めながら過ごせば、悪いものじゃない。
p82:世の中にはいろいろな人がいます。いっしょに暮らしたり触れ合ったりする中で、私たちはお互い成長もできるし心も癒される。いろいろな人たちと社会をともに生きていきたい。すでにそう思っているあなたは、幸せ者。
p91:ひとりの女性としての妻に目を向けてほしい。
p99:私にはこれが足りないと不満を抱くより、「今だって十分、自分らしく生きている」という基本的なことを、もう一度、自覚してもらうようにする。人生は、勝ち組、負け組と単純に二分できるようなものではない。
p100:幸せにはいろいろなカタチがある。言い尽くされた言葉のような気がしていたが、まだまだ浸透しない世代もあるようだ。
p113:{映画で命のありがたさが分かったという一方自殺しようとする}立場を置き換えて想像してみることができない。
p125:セックスで得たいのは、身体的な快楽ではなくて、いま私はこの人に愛されている、生きているという強い実感や満足感。
p144:ノーレン教授の言葉「健康的な生活を送る秘訣は、否定的な感情に押し流されないことだとわかりました」、この感情を生む源こそが「考えすぎ」。しばしば人を誤った方法に導く。
p146:すべてを不運で悲惨なことだととらえてしまう「認知のゆがみ」。「だれでももっと実りある人生を送れるはず。そうなれば、社会全体も向上するはず」という教授のことばは、近恵美する時代全体にとっての希望の光のようにも思える。
p149:「今の仕事になってから前よりもラクかな」くらいに軽く気づく程度のことのほうが、心の中の「本当にやりたいこと」に近いことも多い。
p171:自分の中にある心の闇を自覚しつつ、それをコントロールしようとすることで、人はやさしく寛大になれるともいえる。
p173:本当に必要なのは自分のたいへんさをただ主張することではなく、相手の立場に思いやりを持ち、いたわりあい励ましあって困難を切り抜けることであろう。

{図書館で12/15借り1/1読了、記入は1/23}