読書録

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下流社会第二章/三浦展

下流社会 第2章  なぜ男は女に“負けた

下流社会 第2章 なぜ男は女に“負けた"のか (光文社新書)

正社員よりフリーターのほうが希望を持っていたり幸せのように見える時代、フリーターでも下流意識は低く、自民支持率も高い、ゆえに再チャレンジよりも、ずっとフリーターでいても大丈夫な社会を作るよと言ってやったほうが良いとも著者はいう。
むしろ正社員が嫌われている。束縛のある生活が嫌だというわけだ。
p101:律儀でもなく、責任感もなく、ストレスに弱い若者は、管理職どころか正社員にもならず、フリーターを選択するのだろう。
p125:仕事にやりがいや自分らしさや「好き」を期待する人間を増やし、実際に転職や非正社員化に駆り立てることで就職情報会社や派遣会社は収益をあげている。

★この本のなかで、うなったのは、p146の「37歳危機説」だ。池田小の小学生殺害事件や、和歌山毒入りカレーの犯人がいずれも37歳。奈良の少女誘拐殺人が36歳など、人生があまりうまくいっていない人にとって、この年齢が非常に重いという。そして、先日の佐世保の銃乱射事件の容疑者も37歳だった。35歳ならまだ若いという気持ちもあるが、40代が近付くと、人生の折り返し、やり直しがきないところにきて、フリーターやニートたちは平常心は保てないのではないか、と著者は指摘する。

p166のコラムで、下流が好きなのは、森永卓郎小林よしのり、という意識調査もなるほどというか、なかなか興味深い。

正社員は残業が多く、過労であり、ストレスに悩む一方、自分らしさや「楽」を求めてフリーターをすることを悪いともいえず、正社員と非正社員の間にある溝を埋めるには、新しい柔軟で弾力的な正社員制度を増やすことが必要と著者は指摘する。
確かに、今の時代にあった夢と希望のある新しい正社員像が求められているのだろう。

{フォーラムで12/13借り20読了、29書き込み}