読書録

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『AIの壁 人間の知性を問いなおす』 PHP新書1234 養老 孟司 著 

  タイトルに「壁」とあるように、AIの限界について議論が展開されている。

AIの壁 人間の知性を問いなおす (PHP新書)

AIの壁 人間の知性を問いなおす (PHP新書)

 

 発刊したPHP研究所のサイトから

www.php.co.jp

 
 4人の叡智との対談からいくつか引用、刺激を受けることができる。

 ■AIの発展がめざましい棋界に身を置く棋士羽生善治

p38:羽生:サンデル教授のトロッコ問題(5人か1人か)思考実験との関連

p58:養老:AI化が進むと、人は「人生って何だ?」って考え始めて、哲学のところに戻ってきちゃう。

 ■経済学者であり、AI技術にも精通する井上智

p90:井上:(ハラリの主張)不老階級と不要階級に分かれるという結論に集約される

 ■著書でテクノロジーと人間のあり方を考察してきた哲学者・岡本裕一朗

p150:岡本:「トロッコ問題は倫理ではなく、功利主義と義務論。

p158:養老:人生を、経済的、合理的、効率的に生きるっていうなら、「生れたら、即、死んだらいいだろう」ってことになりかねない。

 ■人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」を進めてきた数学者・新井紀子

p183:養老:(自己愛とか承認欲求とか、人間の本音は地域コミュニティとか教育によって抑制することで社会は安定。それがネット社会になって機能しなくなっている)
p193:新井:AIの一番の問題はすべてデータに基づいて予想したり判断したりしていることです。
p200:養老:AIに危機管理は無理
p208:新井:もっと、わからないことを面白がらないといけませんね

 

・p179で紹介されている本『デジタル・ポピュリズム』(福田直子集英社新書)を読んでみたい。でメモ。
 
{2021/4/27-29読了、記入は5/1(土)}