- 作者: 吉田裕,瀬畑源,河西秀哉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2017/07/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る
ご在位30年を記念した式典が来年2月24日に、また、皇太子さまの即位に伴う一連の儀式の中心で新天皇が即位を内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が来年10月22日に行われるなど、さまざまな日程が決まっていく。ただ、生前退位をめぐってさまざま議論されていたことが、いまは遠い昔のことのように感じられるが、本書ではまだ、議論をしていくべきだと、多様な論客のみなさんによる議論が掲載されている。
本書からいくつか備忘録的にメモを以下↓
p15:皇太子は好きな言葉として、小泉信三から聞いた「忠恕」を挙げている。とは、自分の良心に忠実であることと、他人に対する思いやりが深いことという意味である。妥協を許さない皇太子の性格を小泉は肯定し、誠実に職務を遂行し続けることを勧めたのではないか。
p186:天皇論議のねじれ:これまで保守政治の天皇利用への警戒心も相俟って、天皇の行為の拡大に批判的であったリベラル派のジャーナリストや憲法学者が明仁天皇のおことばに共感しその論理を踏まえた退位を支持し、逆に、これまで天皇の元首化、天皇の行為や権威の拡大を唱えてきた右派の多くが、おことばを憲法違反、象徴としての行為を天皇個人の趣味にもとづく余計なこととしてその縮小・整理、あるいは摂政での代行を主張し退位に反対するという、ねじれた事態が生まれた+p187:憲法民主主義人権視点の欠落と歴史に対する忘却 by渡辺治
発刊した岩波書店のサイト→ https://www.iwanami.co.jp/book/b297924.html
瀬畑源氏の最後の言葉p261「この座談会や本書が、天皇や天皇制についての議論を
一過性のものにせず、続けていくための一助になることを願っています」ということだろう。
{2018/4/9-10読了、記入は4/10深夜}