読書録

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ハンナ・アーレント講義 新しい世界のために

ハンナ・アーレント講義―新しい世界のために

ハンナ・アーレント講義―新しい世界のために


この読書録のカテゴリに“哲学”がなかったことに気づかされたが、なかなか理解をするのが正直、難しかった。まだまだ学習すべきことがたくさんあるということを認識させられる。


発行所の論創社のサイト→ http://ronso.co.jp/book/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88%E8%AC%9B%E7%BE%A9/


わからないなりに印象に残ったのは、
アーレントは、思想的活動よりも実践的活動を高く評価p8、
◇行為し、目撃し、記憶し、物語によって記憶を仕上げること、これがアーレントでは真に政治的な<語り>を構成する、<人間の開示>にいたる王道であると思われますp21
◇人間と生の最初の呼応が物語にほかなりません。物語こそもっとも直接に共同して行われる活動であり、その意味で最も最初におこなわれる最初の活動なのですp31
アーレントはわたしたちに、つねに赦しと約束を忘れずに、現実について考え現実において生きることを求めています。赦しと約束こそ、まさに最高の政治的実践の基礎にほかならないからですp91
(訳者の解題より)
◇講義を「暗い時代における人間らしさについて」と題したが、「暗い時代」は、「公共空間が光を失い…人が自分の利害や内面的な自由を配慮してもらうことしか政治に求めない時代」のことp131
アーレント哲学の中核である<生>の概念が<活動>を意味することを明らかにし、しかもその<生>が<語ること>と切り離せず、両者は<思考>において結晶するというアーレント思想の根幹を(p162)
◇歴史の基本構造を構成するものを「約束と赦し」のうちに見いだして、それを「判断(裁き)」との関係において論じている(p164)


先に読んだ「書店ガール2」で現代思想に特化したフェアに取り上げられた本として、浅田彰氏の『構造と力ー記号論を超えて』(p316)が定番として登場して、それこそかつてベストセラー扱いになったので懐かしく思いながらも、中味については、どこまで理解できたのかわからなかったという印象が残っている。本著も新聞の書評などで取り上げられていたので気づいたが、ハンナ・アーレントをタイトルにした映画も作られていたと思うので、まずはそちらから見てみようかとも思う。


{4/25_29読了、記入は29}